完黙
完黙 / 感想・レビュー
ma-bo
題名を見て捜査の取り調べか、裁判絡みの長編と思っていたが、題名が表題になった話しを含む5話からなる短編集。(+_+)。不遇をかこったり、エリートコースから外れた刑事達が主人公。話しごとの繋がりはなく、短編ゆえ深みはないが、サクサクと読みやすい作品でした。
2021/05/12
RIN
永瀬さんモノにしては軽めの短編集。挫折を経験し鬱屈を抱えた警察官がそれぞれ主人公。挫折しても警官を辞めないのだから根っからの刑事の面々なのだろう。彼らがちょっとしたきっかけで再生のきっかけを見つけそうな読後感の良い短編集。著者らしくはないけれどたまにはいいかな。永瀬さんの真骨頂はしつこ過ぎるほど書き込んだシリアス系。偶々最近読んだ永瀬さんモノが割りと軽め続きだったので、次はガッツリものを読みたい。
2012/09/30
きあら
警察物の5話の短編集。主人公は下手を打って所轄に左遷された刑事達。どの話も出だしはやさぐれ感漂うが、誰もが正義感を持っているので徐々にやさぐれ感は晴れて行き、最後は前向きに終る。短編集なのでどの話も深くはないですが、エッジが効いた小話と読み易さでサクサク読める。
2019/11/15
Nobu A
久々の永瀬隼介(図書館)本。著者の短編集は初めてかも。知らずに手に取り、最初は少々落胆。でも、読み進める内に「待てよ」と評価が鰻上り。収録5話全てエリートコースを外れた冴えない刑事及び元刑事が主人公。ひょんなことから事件に巻き込まれ、どう対応していくかその経緯を緻密に描写。刑事物の物語構築や心理描写は相変わらずさすが。それぞれ卒なく上手に纏まりどれも面白かったが、一番現実性がない「昔の男」に何故か感情移入してしまった。短編集だと必ずと言って良い程1、2本は駄作が混じっているが、それがないのが一番の良さ。
2020/08/01
drago @竜王戦観戦中。
初永瀬作品。横山秀夫の警察短編を、より軽く仕上げた感じ。帯のとおり、本庁から外された所轄刑事の主人公モノが多く、現状に不満を持ち、破滅に向かいそうでハラハラさせるが、将来に向かって希望が持てる終わり方でグッド。 ただ「昔の男」という短編だけは、新米女性刑事の話なのだが、元カレの弟かつ高校の同級生で自分に想いを寄せていた男が犯罪者になり、ガサ入れの前日にその女性刑事が情報を漏らしてしまうという話で、苦労して刑事になったばかりの女が、いくら何でもそんな愚行はしないだろうと首を捻ってしまった。★★★☆☆
2012/11/13
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