星がひとつほしいとの祈り
星がひとつほしいとの祈り / 感想・レビュー
れみ
表題作は、不倫相手である上司との関係に嫌気がさした主人公はひとり訪れた松山のホテルで頼んだマッサージ師の老女から彼女の昔語りを聞くことになる…というお話。この昔話は中島京子さんの「小さいおうち」をちょっと思い出す感じ。7つのお話にはそれぞれにままならない恋や親子関係があって心が痛んだり逆に温かい気持ちになったりする。好きだったのは「夜明けまで」「寄り道」「沈下橋」かな。これはこれでいい本だったけど、最近読んでるマハさんの本は短編集が多いからそろそろ長編でがっつり浸って泣きたい気もする(^w^)
2015/10/30
おしゃべりメガネ
20代~50代までの女性がそれぞれ主人公の7編からなるステキな短編集です。とにかく物語のひとつひとつが、とても温かく感じます。ハグ&ナガラの絶妙アラフォーコンビが登場する『寄り道』はほっこりさせてくれるし、表題作『星が~』は明らかに短編の域を遥かに超えた殊宝の作品でした。『長良川』は他の方のレビューにもあるように「夫婦」としての在り方がこのうえなく素晴らしく描かれています。女性読者さんが読むと、よりいっそうココロに響き、深く、そしてじんわりとした温かい感動を得ることができるのは間違いないでしょうね。
2014/07/26
AICHAN
図書館本。表題作ほか「椿姫」「夜明けまで」「寄り道」「斉唱」「長良川」「沈下橋」の7つの短編集。母娘がテーマになっている。マハさんの作品の文章表現は何て美しいんだろうか。マハさんはカメラで撮影するように絵や風景や人を見るんだと、先日のNHKの番組で語っていた。みな臨場感溢れる描写で感心してしまう。いいなあ、原田マハ。「長良川」では涙がじわじわ溢れて困った。私は結婚に失敗した。失敗せずにいまだに連れ添っていれば…と、そんなことを想ったら涙が止まらなくなったのだ。
2019/02/22
ダイ@2019.11.2~一時休止
短編集。表題作や沈下橋なんかが良かった。
2014/08/14
hiace9000
東京、大分、愛媛、秋田、新潟、岐阜、高知。各地の豊かな風土、美しい風景、温かみのある人情味を織り込み舞台とした、母と娘の、あるいは一人の女性としての「人と人との間」を見事紡ぎ上げる叙情劇七短編。たとえすれ違えども、交わることがなくとも、母と娘の間にある祈りの糸のような絆。ことが起きて初めて見えることもあれば、気づいてはいても認めずに過ごしてきた日々もある。決して美談ばかりで読ませるのではない。だが秀逸なる表題で綴る物語の優しさと堪らない切なさに心の琴線は震え響き続けるのだ。原田・人情作、実にイケてしまう。
2024/10/24
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