桜の首飾り
桜の首飾り / 感想・レビュー
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
昼中の光ではどこまでも清廉に儚げで、夜には月あかりにあやしくぼうと光る。出逢う時々で鮮烈に印象を変える桜の花のように、ひとつの花に纏わる想いにも、様々あるのだな、と。桜の花を様々な角度から観賞するような、7編の短編集。桜の花が靄のように乱れる丘とアンティークな美術館の印象が美しい「春の狐憑き」が好み。美しさを、その感動を共有したい。本当には分かりあえなくても。誰もがさびしくても。ほんの一瞬でも共有できた実感があればいい。「いつか嘘をつかなくてもいい場所が見つかるといい」誰かが自分の為にそう祈ってくれたら。
2019/04/13
おしゃべりメガネ
「桜」を題材にした7編からなる短編集で、「桜」があらゆる場面において効果的に描かれています。個人的には千早さんはこういった短編集でジワジワと、そしてハッとなるような短編を読んでいる方が素晴らしいと感じます。どの作品も、どこか物悲しく、でも必ず希望の光が見えるように仕上げているところに千早さんの‘凄み’を感じます。『背中』や『花荒れ』のステキな締め方、『初花』や『エリクシール』での女性ならではの葛藤など、世界観がある意味別次元なモノを感じます。今後、ますますどんな作品を書かれるのか楽しみな作家さんです。
2014/11/09
❁かな❁
千早茜さんの作品を読むのは3作目。今とても気になる作家さんです♪今作は桜にまつわる7編の短編集。やはり千早さんの描く切なくて静かで透明感のある雰囲気が好きです☆どのお話もとても良かったです!特にお気に入りは『白い破片』『エリクシール』です。『白い破片』は女性の気持ちにも男性の気持ちにもなり、とても切なかったです。『エリクシール』はもう抗う事などできない感じが素敵でした♡後『春の狐憑き』『背中』『樺の秘色』も良かったです!千早さんの作品にとても惹きつけられます!桜の季節に再読したいです♪お気に入り★
2013/12/14
あつひめ
桜って…桜と言うだけで他の木とは違う命を宿している気がする。それは、長い年月、日本人のなかのDNAに刷り込まれているのかもしれない。桜にまつわる短編。春の狐憑きが私のお気に入り。美術館の表現がすごく私を頷かせるから。生活匂のしない、何十年もの間時も空気も埃も止まったままのような美術館。その中だから飾られるものは人に気づかれぬように呼吸するのかも。千早さんの独特の視線が気に入りました。
2013/07/09
mariya926
桜を主題とした7つの短編集。正直、難解と感じた。今まで長編だったら楽しめた作家さんでも短編だと難しいと感じた作家さんが何人かいましたが、同じ感じでした。一つ一つ丁寧に向き合っていけば分かるかも知れませんが、その前に読み終わってしまいます。特に狐憑きは難しかったです。まぁ理解しなくても淡々と読めば良いのかな?と思いつつ読了。「背中」と「花荒れ」は何となく分かったので満足しました。
2024/09/06
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