映画にまつわるXについて
映画にまつわるXについて / 感想・レビュー
こんぺいとう
ちょうど同世代の女性ということで気になっている映画監督西川美和さんのエッセイ。もう2作目もでているみたいだが、「ゆれる」を観たところでもありその時期のこちらから拝読。自信に満ち溢れた監督像とはまた違い、しごく共感しやすい内容で、葛藤やら失敗談やらも綴られている。最近は作家さんでも作品を読んだだけでは女性と分からないような骨太の作品を書かれる人が増えてきたけれど、西川さんはクールな中にも抜け目なさというかなかどこか女性っぽさがある印象。ゆれるが出来上がっていく過程など興味深かった。
2017/12/19
ばんだねいっぺい
これを登録しようとして「Xについて2」があると知る。やった、ラッキー、また、読めるぞと探すことにする。真面目に映画づくりと向き合う様子にグッとくる。松さんだって、分かった時のまわりのリアクションが見たかった。
2017/08/27
miu
映画にまつわる色々なxについて。xは裸だっりオーディションだったり生き物だったり。x=免許は『夢売るふたり』の時に松たか子さんと取ったフォークリフト。この話、面白かった。西川美和さんは映画監督でありながら素晴らしい文才の持ち主。リズムよくてスラスラ頭に入ってくる。そういえば肝心の映画をまだ一つも拝見していない。今度観てみよう。
2017/02/19
かやは
脚本家、映画監督である西川美和さんのエッセイ。気取っているわけじゃないけど、演出めいた言い回しが心地良い。創作と生活の関係性を思った。生活に潤いを与えるための創作であるが、それを実現するためには日常が犠牲になることもある。何処まで創作の暴力性は許されるのか。映画というのは圧倒的に「対人」な創作だなあ。漫画や小説に比べると、それぞれに専門家が存在していて関わる人数は桁違い。大勢の人が一つのものに向かっていくパワーって凄い。映画の力の源ってそれなんだろうなあ。映画がもっと観たくなった。
2015/03/26
ぐうぐう
西川美和の映画には、揺らぎのない芯がある。そもそも監督とは、迷いがないからこそ映画が撮れるのだ。しかし、彼女の映画に描かれている人々は、常に迷っている。白も黒も、善も悪もない、グレーな存在であるゆえに、人は迷う。それを西川美和は知っている。なぜなら彼女もそんな不安を抱え、迷いある人であるからだ。自身の映画制作にまつわるエピソードを綴ったエッセイである本書を読むと、そのことがよくわかる。長年の夢が叶ってというわけではなく、いつの間にか映画監督になっていたという負い目を自覚し、(つづく)
2013/05/16
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