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あなたにつながる記憶のすべて

あなたにつながる記憶のすべて

あなたにつながる記憶のすべて

作家
小手鞠るい
出版社
実業之日本社
発売日
2013-09-12
ISBN
9784408536309
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あなたにつながる記憶のすべて / 感想・レビュー

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なゆ

亡くなったり消息不明などで、もう会えない人たちについての記憶をていねいに掘り起こして綴られる、エッセイのような私的短編集。死者についての話だけど湿っぽくはなく、穏やかで温かな文章で、人との出会いや別れについて語りかけられてる気がする。「私につながる戦争の記憶」では時に骨太な作品を書くようになったきっかけが見えたり、「四羽めの小鳥たち」ではアメリカンロビンという鳥の子育ての様子を見守りながら、自然界の厳しさを思い知らされたり。でも強烈に残るのは「死は美しい」。彼の詩集をじっくり読んでみたいと思った。

2015/06/17

ゆうゆうpanda

もう会えない、主に亡くなってしまった人についての思いを綴った短編集。16編ということで、対象となる人物象が似通ってしまった印象もあるが、それだけに作者の実話なのではないかと思った。本人はアメリカに移住しているので、悲しい知らせが届くのにタイムラグがある。その分、自分の中に別れの実感が確立するタイミングも様々だ。挿絵画家の死について書いた「ふたつの時計」。最初は相手の死を緩やかに否定しながら何ヶ月か過ごし、次の原稿に挿絵が届かないことを思った時悲しみが押し寄せてくる。この部分が一番よく表現されていて好きだ。

2017/03/20

風眠

死んでしまった人との想い出や、それらにまつわる記憶。日常の中で薄れることはあるかもしれないけれど、決して無くなりはしない。だから死者の想い出は、いつだって、いつまでだって、美しい。「あなた」と作者は語りかける、過去の自分自身を外側から見つめるように、または誰でもないあなたへ語りかけるように。だから私も「あなた」になって、物語の中で追体験する。「あなた」と死者との想い出のすべてが、私にとっての記憶でもあるかのように。今はもう哀しいだけじゃない、美しい想い出が、美しい言葉となって回顧する。私小説的短篇集。

2014/02/08

スノーシェルター

「あなた」と語りかけられるたびにドキッとする。会えなくなった人達との出会いがあったから今の自分ができているのだ。私はどうなの?と考え方させられる。

2014/04/05

ぶんこ

「私の家の鍵」の中に、「図書館で借りられたり、古本屋で買われたりすると、すっごく頭に来るんです」と書かれていて ドキッとしました。もう何十年も本屋さんで本を買っていません。引越し先を決める第一条件が、徒歩圏内に図書館があることにしています。読みたい本を買っていたら、とっくに破産しています。小手鞠さん、ごめんなさい。

2013/12/13

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