1934年の地図
1934年の地図 / 感想・レビュー
starbro
堂場瞬一は、新作中心に読んでいる作家です。歴史×野球×ミステリといった感じです。ベーブ・ルースや沢村栄治等、日米の大昔のスーパースターが多数登場し、野球ファンには楽しめます。但し、純粋なミステリファンには物足りなく、野球嫌いの方にはオススメしません。何時かレッドソックスに日本人プレイヤーが在籍していたら、フェンウェイ・パークでレッドソックスVSヤンキース戦を観てみたいなぁ!
2017/07/13
いつでも母さん
「彼女を殺したのは、私なんだな」嗚呼、ディック。そうじゃない。自分を責めるな。例え責任の一端があったとしてもだ。あの頃の君に、あれから起こることの全てがわかっていた訳は無い。戦争はいろんなものを引き裂く。それだけは確かだ。日米野球が縁で結ばれた男の友情を堂場さんが描く。なんとなくストーリーは見えたものの、純粋に野球だけで交流できるほど簡単な情勢ではなかったという事なんだ。ベーブ・ルースの似顔絵も読後はちょっと哀しい。日米野球の日本側の懐かしい名前が嬉しかった。私も年を重ねたということか・・
2017/07/20
背古巣
読み初めは、冒頭部分が何の意味を持つのかさっぱり解りませんでしたが、後半になってからは、鈍い私にもその意味するところが分かって来ました。そして誰の視点で書かれているのかも。突然来日したディックの本当の目的、26年前ベーブ・ルースたちと来日したときの真の目的は?友情の物語と思っていたら、途中からサスペンスモードになって、"何これ?"でしたが、面白かったです。ディックはそんなに責任を感じなくてもいいのではと思うけど、愛した人がああいう亡くなりかたをしたらやっぱり自分を責めるよね。
2018/04/20
wanichan
野球と友情と戦争を絡みあわせながら、贖罪についてのストーリー。歴史エンタメサスペンスと帯にあったので、期待しすぎてしまった。あまりサスペンスは感じられなかった。
2017/10/11
buchipanda3
大戦前、日米野球が華やかに開催される中、その陰で起きていたある出来事が描かれた歴史ドラマ小説。ちょっと話が薄味に感じられたけど、野球を通じて交わした二人の友情にはグッときた。ディックの過去の行動は察しやすいが戻ってきたのは何故なのか。夢中になって野球指導をする一方で、時々見せる不自然な態度のちぐはぐさが彼の悩みの深さを表していたと思う。真相を知った京極の対応は共にプレーした選手を親身になって励ますかのようで清々しさを感じた。類似の選手が実在し、さらに同じような事件が実際にあったことを読後に知って驚いた。
2017/06/23
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