たまゆらり (実業之日本社文庫)
たまゆらり (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
アッシュ姉
高橋克彦さんを彷彿させる作家の目線で語られるホラー短編集。ご自身のお考えや体験がどれほど反映されているのか気になるところ。頭の中を覗き見したような興味深さを味わえた。著者初のホラー短編集『悪魔のトリル』に比べるとインパクトは薄れるが、じわじわくる怖さと面白さがあり、いつまでも読んでて飽きない不思議な読み心地だった。ゆらゆら漂っていたい妖しい魅力がある。歳を重ねると怖いものがなくなりストーリーが浮かばない、歴史小説の方が面白いという台詞があり、高橋ホラーファンとしては寂しいかぎり。新作ホラー希望熱望!
2018/03/20
のぼる
短編集。一作一作が短く頼りないくらいすぐ読める。しかし、さすが名手の高橋さん。震えるほど怖いわけではないが、最後に背筋がゾワゾワっとする作品ばかり。
2017/11/09
5〇5
たまゆらり たゆたふままに たのしめり
2021/04/18
makersat
通勤通学で一日一篇を読了できる程度の頁数の短篇が十二篇収められた一冊。これぞ日本のホラーと胸を張って言える小粒な作品が揃えられている。いずれの作品も、日常のふとしたシーンから恐怖へと繋げていくプロセスが巧みである。「ああ、こういうことって普段あるなぁ」から恐怖(もしくは、不思議)へとつなげていくため、心底からぞくりと感じて寒気が止まらなくなるのだ。ただし、中には「これはホラー?」と疑問を覚えるものもなくはないので、そこはご愛嬌と諦めるべきだろう。お気に入りはホラーというよりもファンタジー寄りの「隠れ里」。
2015/04/10
レイ
さすが高橋克彦さんだなあ、でも一編あたりのボリュームがちょっと足りないな、「私のたから」は「記憶の窓」とオチが似てないか?、などと思いながら順調に怖がりつつ(笑)、面白がりつつ読み進めていったところ、最後の「二つ魂」で大いにやられてしまった。怖い。これは本当に怖い。最後にぶわっと怖さが押し寄せてくる。また、幽霊や死後の世界の研究が全く為されない理由の仮説も怖い。妄想だと切って捨てればそれまでなのだが、結構説得力を感じた。これだから高橋氏のホラー短編はやめられないのだ。時折禁断症状が出そうな程に。
2014/08/09
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