演じられた白い夜 (実業之日本社文庫)
演じられた白い夜 (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
新しい芝居を作ろうと雪山合宿に集まった面々。演出家が目指すのは『推理劇』役者達も犯人役が誰なのか、展開がどうなるかを知らないまま稽古を重ねる。クローズドサークル内で芝居を演じる『虚』と、演者仲間が生活を共にする『実』がないまぜに。やがて虚実いずれの舞台でも犠牲者が出て・・・という話。著者は『モップ』『自転車』シリーズなどで私を虜にしていますが本作はいささか・・・。それより著者あとがきが嬉しかった。なるほど近藤先生のそのご経験が後の多くの『近藤史恵信者』を作るきっかけになったのか!虚実の翻弄に溺れる‼️🙇
2020/02/11
相田うえお
★★★☆☆20101【演じられた白い夜 (近藤 史恵さん)k】山深いところにあるログハウス風の元ペンション(うんうん、ミステリーな雰囲気〜) 雪が降りしきる中(おー!雪〜!クローズドサークルものだな?テンション上がる〜!) 十日間の合宿で演劇での芝居を作り上げるために8人が集まった。(おー!これらの人達が被害者と犯人になるのか〜)滞在中、死者が次々と!(あちゃー!やっぱりね。)悪天候、雪崩で道が塞がれ電話も通じない(わー!定番だけど、ワクワク!) ただ、作品内に舞台台本が入り込む構成は頭が混乱する〜(汗;
2020/09/21
りゅう☆
演出家匠が雪深い山荘で合宿として男女6人と女優の妻麻子を集めた。匠演出の台本はオフ会で誰かが殺されるという設定。しかも殺される者も犯人も誰か分からないまま演じる。そして作中で1人殺された後、現実でもその役者が死んだ。外部と連絡が取れない、初対面なのに男女関係のもつれがありなど作中と現実が重なる。次に起こる殺人もまた然り。犯人は誰?次に殺されるのは?不安な状況でまさかの人物が殺害。犯人の動機にしても麻子に対してもイマイチ感情移入できず。女性たちのイメージが掴みにくいけど読みやすく一気読みできたのはよかった。
2019/07/31
セウテス
雪により閉ざされた山荘で、無人の孤島を舞台にした本格ミステリーの演劇稽古が行われ、作中作と同様に一人又一人と殺されて行く、クローズド・サークル。作中作と現実の両方を観ていく為、かなりの集中力が必要とされる。プロットは凝った物だ、技術力のたいへん必要な、高い発想と構成の作品だと思う。作者本来のファンからすると、深い人物描写を敢えて省いている事、推理を楽しむ事自体が目的である事に不満かも知れない。しかし文字を紐解き状況を頭に浮かべ、伏線から先の想像を幾つか楽しむなら、探偵として舞台に立つ慶びが獲られるだろう。
2016/10/05
アッシュ姉
近藤史恵さん続けて読了。本格推理劇の稽古のために、雪深い山荘に集まった演出家と演者たち。無人島で起こる殺人劇の脚本と並行して、やがて閉ざされた山荘で現実にも殺人が起こり…。犯人は誰か、生き残るのは誰かというクローズドサークルの作中作。人物描写があまり掘り下げて書かれていないなか、本名と役名の両方を覚えなければならず、何度もいったりきたりしたうえに、犯人も動機もいまひとつ。あまり好みでなかったが、近藤さん独特の雰囲気は感じられたし、本作を描いた想いが綴られたあとがきは興味深かった。他の作品も読んでいきたい。
2014/07/30
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