エール! 2 (実業之日本社文庫)
エール! 2 (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
ちはや@灯れ松明の火
車窓の向こう、黄昏に沈みかけた街の灯がくしゃりと滲む。ああすればよかった、こう言えばよかった、今日やらかした失敗を反芻する。今ならどう動けばよかったのか解るのに。早く一人前になりたかった、認められたかった、働かない彼女たちに苛立った、働いている彼女たちが羨ましかった。何度春を迎えたら、自分が思い描く自分になれるのかな。拡がっていく夜の帳をくぐり抜ける電車の中、疲れて帰るのは自分ひとりじゃない。涙の続きは風呂場までとっておこう。また明日、晴れ渡る朝空に青く浮かぶ富士山を見つけて、行ってきますと笑うために。
2015/11/03
yanae
やっぱりこのシリーズ大好き!働く女性へのエール。いろいろな職業の女性の生き方を通じて、辛いけどいいこともあるから、今日もがんばろうって前を向かせてくれるお話たち。しかも豪華な作家さん。今作もスイミングインストラクター、ラジオDJ、社会保険労務士等、普段仕事の裏を見られないような職業を疑似体験、それに加えて、今回はOLもあり。それぞれの作品とのリンクや、前のシリーズに出てきた職業とのリンクもあってこれがまた楽しい。迷うことなく次シリーズへ!どの作品もよかった。元気がもらえる素敵な一冊。
2017/08/01
ハイク
エールシリーズを3→1→2の順番で読んだ。この本が少しパンチが弱いと感じた。印象にあるのは「心の隙間を灯で埋めて」で遺品整理会社員の物語。夫に死なれ幼い息子と二人で生きて行かねばならない母親の物語である。この主人公と境遇が似通う家庭は世の中に多いのではのでは思う応援歌である。「五度目の春のヒヨコ」は社会保険労務士の資格を取得したばかりの若い女性の奮闘物語である。多くの若い女性はこの類の女性に憧れるのではないかと思いながら読んだ。「ヘブンリーシンフォニー」はファンタジー物のような感じで何かピンと来なかった。
2015/03/22
ひめありす@灯れ松明の火
職業に貴賎はなく、なんとなく不安なスイミングのコーチもひよこ頭の新米社会保険労務士もバイト君の教育に頭を悩ませるピザ店店長もコンプレックス後対人恐怖症気味の遺品整理屋さんもお調子物系ラヂオDJも休む事恐怖症のOLさんも働く女性はみんな綺麗で素敵だ!私とは全く職業を選んだ人たち。一日職場見学をしているみたいで面白かったです。一日どれか選ばせてもらえるならやっぱりラヂオDJかな。滑舌悪いけれど。自分がいなくても会社は結構どうにでもなる事を覚えといて、助けが欲しい時は素直に声を上げるようにしよう、と思いました。
2014/07/28
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
働く女性を主人公にしたお仕事小説アンソロジーの第2弾。前作に続き、悩みを抱えつつも自らの仕事に喜びを見いだしていく女性たちの姿がすがすがしく、すでにおじさんと化した自分にも前向きに働く意欲を与えてくれる一冊だった。その味わいが色濃い垣谷作品に一番のエールをいただいたが、社会保険労務士の仕事が企業の不正絡みのミステリーにもなりうることを教えてくれた水生作品も印象的。ただ、ファンタジー抜きに普通のOLの働く喜びを描いた話も読みたかった気もするが、それぞれのリンクを探すのも楽しく、シリーズの続巻にも期待したい。
2014/02/15
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