かっこうの親 もずの子ども (実業之日本社文庫)
かっこうの親 もずの子ども (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
4歳の男の子を持つシングルマザーの悩みと葛藤を描いているが、随所に甘さが目立つようだ。主人公を逆境に突き落とせとは言わないが、出版社の編集部に勤務し、保育園にもシッターにも恵まれ、その上に会社の同僚を含め周囲は概ね理解のある人たちというのは、むしろ例外中の例外ではないだろうか。もっとも、主人公の統子をこのような環境に置かなければ、AID(非配偶者間人工授精)をめぐる煩悶も生じないのだが。男性の遺伝子が同じなら子どもは瓜二つというのも、さらに前世療法にいたってはもはや小説そのものが破綻してしまう一歩手前だ。
2017/02/20
machi☺︎︎゛
男性不妊が原因で離婚し、シングルで4歳の智康を育てている統子。偶然、仕事で手にした雑誌に智康にそっくりの双子が載っていたのを見て親子で五島列島に行く事に。途中まではシングルの大変さや五島列島のしぜんの美しさやそこでの運命的な出会いなどに夢中で読んだけど、スピリチュアルの話になって潜在意識などでちょっと興醒めしたが、最後の爆弾で涙腺崩壊した。子供が無事生まれて育っていくっていう事は奇跡っていう言葉がすごく心に残った。当たり前だと思っていた毎日が来ない人もいる。毎日大切に生きよう^_^
2019/08/24
ユザキ部長
神の思し召しか。不妊治療、代理出産、、。誰かにとって正解は他の誰かにとっては罪になるのか。子どもか、自分のためか、言葉は意味さえ失い漂う。やがて向かった五島列島であった出会い。神の采配は必然。偶然が偶然と重なると必然になる。親の愛だけじゃない。この世に生を受け産まれて育っていく事は並大抵な事ででもない。この奇跡がずっと長く続く様に手を繋ぐ。
2017/02/23
takaC
むずかしいタイトルだ。素直に取れば「カッコウにとっての親、モズにとっての子ども」という意味なんだろうね。興味の置きどころによっては物語としては肩透かしな結末かもしれない。
2016/04/12
なゆ
子どもは、授かるのも生まれるのも元気に育つのも、全部奇跡の積み重ねなのだと思う。AID(非配偶者間人工授精)でようやく子どもを授かったのに、結局それが尾を引いて離婚、シングルマザーになった統子。こうして読むとAIDとは、余程の覚悟がないといけないのだろう。ひとりでその責任と罪悪感のようなものを抱えながら、仕事と育児に追い立てられてしまう。我が子として生まれたのにどうしてソコまで…と思ってしまうが、当事者は気にしてしまうのだろう。智康くんは可愛く、五島列島への旅は楽しそうだったが、ドキドキハラハラもした。
2019/10/31
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