永遠の夏 (実業之日本社文庫)
永遠の夏 (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
すこにゃん
戦後70年目に出版された戦争を題材にした小説集。著者は五木寛之、城山三郎、坂口安吾、小松左京、柴田哲孝などの方々です。ノモンハンの謎、真珠湾の特殊潜航艇、歩哨の眼、従軍慰安婦、軍の隠蔽体質、抗命した将校、硫黄島玉砕、潜水艦乗組員、疎開女学生、広島被爆、特攻隊員、大陸からの引揚者、沖縄を彷徨う亡霊、戦争を知らない人々とテーマが時間を追って現在に近づくよう構成されています。分厚さも気にならずいつの間にか読了。最終話のメッセージはこの本を締めるに相応しい。どっしりとした読み応えで感慨ひとしおです。
2015/04/12
けやき
【再読】太平洋戦争を描いた作品のアンソロジー。個人的には、田村泰次郎「蝗」、帚木蓬生「抗命」、城山三郎「硫黄島に死す」、小松左京「戦争はなかった」がよかった。
2024/07/31
№9
戦争小説の短編集ということで興味をそそられ手にした一冊だったが、錚々たる作家群によるその一編一編は、戦争小説というカテゴリーを抜きにして、小説を読むことの醍醐味を味わうことのできる渾身の、まさに渾身の短編集だった。その時代を生きた人々の、今を生きる我々と何も変わることのない息遣いを、後世に伝え続ける珠玉の短編集と言えると思う。
2015/07/11
馨
かなり有名な作家さんたちが描く戦争小説集。ボリュームがあり読み応えあります。国民、兵士、色んな視点からのいろんな時代のことが描かれており戦中から戦後までを駆け巡った感じがしました。サスペンス的な作品も多くて読みやすいです。 「糊塗」「潜艦呂号99浮上せず」「伝令兵」あたりが気に入っています。
2015/06/19
マムみかん(*感想記入少なめです*)
昭和14年のノモンハン事件から現代の沖縄の基地問題、果てはパラレルワールドの日本まで…太平洋戦争を題材にした戦争小説アンソロジー。 戦後70年。 当時を知る方々がどんどん亡くなり、戦争の記憶も薄れ、どこか他人事のように考えてしまう今こそ読まれるべき作品の数々。 小説ではありますが、戦争の狂気や残酷さ、虚しさをリアルに語っています。 柴田哲孝さんや五木寛之さんの作品はミステリー仕立てで面白く、山田風太郎はやっぱり山田風太郎(笑)、城山三郎さんのバロン西の最期や目取真俊さんの沖縄の姿は哀しかった…☆
2015/02/17
感想・レビューをもっと見る