10 -ten- (実業之日本社文庫)
10 -ten- (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
ルールをまるで知らないラグビー、ハードルが高かったが、読み始めてそんな心配を忘れるほどに、物語にのめり込んだ。なぜってこれもまた堂場さん本領である、スポーツモノに名を借りた人間ドラマであるのだから。任期途中で急逝した監督の後を引き継いだ新監督。旧監督のやり方に縛られたキャプテン(旧監督の息子でもある)率いるチーム。空中分解したかのような彼らに、リーグ戦四連覇はあるのか?ラグビーを知る人はもちろん知らないあなたも、ラグビー経験者である著者にしか描けない、リアルな描写に引き込まれるだろう。
2018/08/10
ゴンゾウ@新潮部
シーズン序盤に急逝した名監督の後を引き継いだ七瀬。前監督が本当にしたかった理想のラグビーを目指すが、主力選手やOB達と上手くいかずに苦戦する。リーグ戦最終戦でやっと選手達と理解し合える。ハッピーエンドではあるのだが、もっと早くから本音でぶつかっていればよかったと思ってしまった。試合での臨場感は流石です。
2017/10/01
kanegon69@凍結中
さすが元ラガーマンだけあって、描写がとてもリアルです。中盤までは訳あって引き継いだ新監督と絶対的キャプテンとの深まる確執についてのストーリーが主体。相変わらず心理描写が見事でした。終盤、もう止まりません。二人の確執も頂点に達していきますが、何と言ってもリーグ戦の決勝戦の場面がもうハラハラドキドキです。まるで実況中継を観ているかのような堂場さんの見事な試合中の描写。脳内でそのまま映像化されたようなリアル感がすごく、大興奮してしまいました。エンディングも気持ちいい!ラクビーっていいなぁと素直に思える一作です!
2019/12/21
s-kozy
堂場瞬一スポーツ小説コレクションの中の一冊。これはラグビーを扱っている。リーグ4連覇を狙う大学ラグビーの強豪校の名監督が開幕戦の直後に急死。指導者としては経験の浅いヘッドコーチが新監督に就任する。この監督は従来の戦術を踏襲するのかと思いきやそうでもない様子、かと言って新しい方向性を示す訳でもない。これによりキャプテンであり、前監督の息子でもあるスタンドオフが従来通りの戦術に依怙地な感じで固執するようになる。方向性を見失ったチームに生じる葛藤、軋轢。いよいよ迎えた最終戦、全勝校対決を制することができるのか?
2016/04/22
ユザキ部長
俺たちのキックオフは苦しくて楽しい。亡父が残した真逆の言葉。素直に継承し、時に縛られ、考えがフリーズする。敵はどこにいるのか。キャプテンを信じて走る仲間。真の強さを得る。
2018/10/06
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