不死症 (実業之日本社文庫)
不死症 (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
ナルピーチ
それはまさに悪魔の研究、人が踏み入ってはいけない禁忌の所業。とある製薬研究所で発生した謎の爆発事故。目を覚ました研究者“泉夏樹”の前に現れたのは生気と理性を失った人々。彼等は音に反応し凶暴化する。その姿はまるで意思を持たないゾンビの様だった…。ウェンディゴ症候群という実在する病気を取り入れたバイオホラー小説。本書最大のテーマと呼べる“不老不死”を求める人間の欲望は浅ましい限り。自然に老いた上で人生を全うする事が本懐だと感じた。内容としては割りとサクッと読めた。もうちょい刺激と恐怖が欲しかったかな。
2022/05/13
いつでも母さん
なんだろう・・この表紙に惹かれてついの1冊。ストーリー・・なんとなくは想像出来てはいたんだ、出来ては。が、前半のこの気持ち悪さは夜には読みたくはないなぁ。そこを超えるとね、やっぱり『不老不死』なんて願ってはいけない!って事ですよね。陸自の登場もあるのだけれど、こんな風に使われたくは無いだろうな・・なんて思ったりもして、なんとなく哀しく読了した。
2016/09/02
aquamarine
辛口ご容赦。究極のバイオハザードと怒涛のどんでん返し、一気読みホラーミステリ、という内容紹介はちょっと煽りすぎかと。期待して読み始めたので、かなり残念な思いをしました。ホラーゲームを攻略本見ながら最短ルートで通り過ぎたみたい。ミステリの冠はないほうがいいかも。ちょっと前に白井さんの本を読んでいたからハードルはさらに高く設定されていたかもしれませんが、それを差し引いても残念。著者の作品なら、これより「災厄」のほうがおすすめです。
2016/11/17
とろこ
ツッコミどころが多く、B級感が漂っていたが、サクサク読めた。やはり、自然の摂理に背けば、反動があるのだろう。人間が手を出してはならない領域というものは、あるのだと思う。それにしても、今の世でも、不老不死を願う人々は多いのだろうか。死があるからこそ生が輝くのだ、とも感じる。それに、生き辛さを抱えて苦しむ人々がこんなにも多い現代において、ここまで不老不死に執着することにリアルさを感じられなかった。私は、自然に、運命に逆らわずに生きて、自然に逝きたい。
2018/03/28
Bugsy Malone
ゾンビ化する原因など、目のつけ所は非常に良いと思うのだけれど、全体的に未熟さを感じてしまう惜しい作品でした。面白いことは面白いのですがどうしてもその辺りが先にたってしまう。一気にサラッと読めてしまうのもそれ故なのかと。
2017/01/21
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