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星々たち (実業之日本社文庫)

星々たち (実業之日本社文庫)

星々たち (実業之日本社文庫)

作家
桜木紫乃
出版社
実業之日本社
発売日
2016-10-06
ISBN
9784408553139
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星々たち (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

北の大地を這うように生きた、母娘三代の人生が愛おしい。やや子の時代でやっといろいろな負の連鎖を断ち切れるような、光の見えるラストも好き。いいなぁ、桜木さん。

2017/03/17

しんごろ

母娘三代に渡る話なんですが、やや重めで暗いかな。彼女等に加え彼女等にかかわった人達が、それぞれの人生を幸せか不幸だったかは置いといて、力強く、逞しく、時には狡猾に生き抜く人の強さを見た気がします。このままで終わったらモヤモヤしたんでしょうが、ラストがすごく良く、全体を通して、ああそういうことなのねと物語のタイトルにも納得しました。生き抜くしんどさを楽しさに変えて人生を歩みたいですね。

2019/05/05

yoshida

母娘三代の物語。咲子、千春、やや子と物語は繋がる。時には息苦しく、時には淡い光りを放ちながら。彼女達は様々な人生の綾に逢う。続いてゆく、それぞれの人生で輝く瞬間がある。咲子の人生の最期、千春の息遣いが感じられるような詩集。そして最後のやや子の未来に今までと違う幸福と言う名の輝きを見る。読み馴れた桜木紫乃さんの世界観。千春の人生は激動だと思う。傷ついた後に、頼る相手がいない過酷さ。それでも生きていく。それは強さなのか、覚悟なのだろうか。人生には様々な出来事が起きる。平凡な人生のほうが珍しいのかも知れない。

2018/09/06

さてさて

他人が幸せな人生を送ったと感じたかどうかなんて本人以外には誰にも知る由はありません。星々の数だけドラマがあり、そして人の数だけドラマがある。三代に渡る女性三人の生き様を見るこの作品。そこには、この世に生を受けたからには、それでも生きていく他ない人の孤独さと、そんな中にも小さな喜びを見つけて前へと歩んでいこうとする人のしたたかさがありました。それぞれの場所で、それぞれに一生懸命輝いた咲子、千春、そして やや子。終始重苦しい物語の中に夜空に煌めく色とりどりの星々の姿に重なる人の生き様を見た、そんな作品でした。

2021/05/05

新地学@児童書病発動中

最後の一行が素晴らしい。日本各地で懸命に生きている無名の人々を讃える文章。胸に響いた。読みながら涙がこぼれた。夜空に輝く名もなき星々たちにも、それぞれの輝きと美しさがあるのだろう。咲子という名前ながら自分は咲かない女だと自嘲する女性の生き様が、さざ波のように広がって彼女と関わりのあった人々の心に刻まれていく物語。短編を積み重ねて物語を作っていくという『ホテルローヤル』でおなじみの手法が効果を上げていて、深い余韻のある小説になっている。暗い内容なのだが、最後の短編でほのかな光が見えて胸の中に灯がともされた。

2017/11/28

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