独走 (実業之日本社文庫)
独走 (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
Hitoshi Mita
東京オリンピックまでもう4年!この本を読むと考えさせられる。ナショナリズム、オリンピックって。確かに戦争なのかもしれない。国の威信や思惑などなかったとはいえない。選手は初めは純粋にスポーツが好きで楽しんでいたのかもしれないが頂上を目指す時に一人ではやっていけない。スポーツはお金がかかる。それもトップアスリートとなれば尚更だろう。この本は純粋に楽しむことと国の思惑などを改めて考えさせられる。勝つこととは。東京オリンピックに向けて今でも戦い続ける人達がいることを思うと楽しんでると聞いて見たくなる。
2016/12/29
カブ
陸上長距離の特別強化指定選手の仲島と仲島をサポート(監視?)する、金メダリスト沢居。アスリートを管理するさまは、籠の鳥状態。読んでいるうちに息苦しさを感じ、自らの目標まで管理される仲島が大空へ羽ばたくのを期待しながら読んだ。
2017/09/05
マドロス
スポーツとは何なのか、その根源に迫る。作中に描かれるような「金メダル倍増計画」がなくても、この国には「日の丸を背負う」という考えがある。それは、多かれ少なかれ、選手を縛っているだろうことは容易に想像できる。でも、国の代表に勝ってもらいたいと思う気持ちもあり、スポーツ選手が「自由」に勝負するというのは本当に難しいことだと考えさせられた。
2016/12/29
Walhalla
国家に管理されたアスリートの苦悩を描いた作品でした。 スポーツというのは、その人にとってどのような意味を持つのか、あまり類のないタイプの作品で興味深かったです。 さて、国際大会だと、どうしても自国の選手が勝つのを期待してしまいますが、この作品に描かれている出場国の枠に捉われない新しいタイプの大会というのも魅力的ですね。誰かに管理された道であっても、自分の意思で選んだ道であっても、見る側としては最高のパフォーマンスを発揮できる試合を見たいですね。
2020/09/16
ASnowyHeron
感動を与えてくれるアスリートの活躍が、国策で作られたものであることは悲しい限りだ。ここはアスリートの感情を操り、人間の尊厳を無視した世界だった。そうせざる得ない事情はあるのだろうけど、個室にまで監視カメラがある中で、心が休まる時間はあるのだろうか。スポーツの大会を見る目が変わる。それでも最後まで目が離せない作品だった。
2017/07/09
感想・レビューをもっと見る