嗤う淑女 (実業之日本社文庫)
嗤う淑女 (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
SJW
いつもの中山さんの小説ならば、社会の不条理と問題点を並べて、鋭い指摘と小気味良い批判を聞きながら、そうだそうだと発散できるが、今回は違う。父親から虐待を受けて、不幸な生い立ちの蒲生美智瑠が美しく成長し、他人の欲望を操り運命を狂わせるという悪女ミステリー。生い立ちには同情するものの、その行動には苛立ちと憤りを感じてしまう。いつもの中山さんのどんでん返しは相変わらず唸ってしまった。
2019/06/27
ナルピーチ
彼女は果たして悪魔か、それとも天使なのか…。戦慄のダークヒロインが此処に誕生。その相貌は上品でありながら蠱惑的。卓越した話術と美貌で幾人もの男女を手玉に取っては傀儡の様に操っていく。そんな彼女に関わってしまった者達の末路とは…。なんだろう、この緊迫感。息をするのも潜めてしまうこの感じはフィクションとは思えないリアリティがある。たまにこんなニュース観てる気がするのは気のせい?!稀代の悪女の物語はまだまだ始まったばかり。圧倒的な存在感を見せつけてどんな物語を読ませてくれるのだろうか。これは次作も楽しめそうだ。
2022/06/05
修一朗
不愉快な主人公が登場するお話だと思っていて躊躇していましたけど全然大丈夫。美智留さん,振り切った悪女です。御本人が気にいらない奴をバサバサと陥れます。悪いやつがガンガンやられて爽快感。人の心を自由に繰る人心掌握術がお見事。スカッと潔いエンタメ路線でした。次,ふたたび嗤う淑女へ。
2021/09/30
イアン
★★★★★★★★☆☆2024年にドラマ化された『嗤う淑女』シリーズ第1弾。類い稀なる美貌と巧みな話術を兼ね備えた蒲生美智留。彼女に魅せられた人々は、やがて狂気の果てに身の破滅を迎えることになる。買い物依存の銀行員や失業した夫に不満を募らせる女など、どこにでもある「不幸」が美智留の計略に掛かれば瞬く間に絶望と化す。まさに稀代の悪女ともいうべき存在だが、その悪行の数々もラストの法廷シーンの衝撃に比べれば序章に過ぎない。担当弁護士が御子柴ではなく宝来だと判明した時点で真相に気付いたあなたは、真の中山七里ファン。
2024/08/21
machi☺︎︎゛
絶世の美女、蒲生美智留。美貌だけでなく知性も兼ね備えてて隙のない完璧な女性。その美智留が決して自分の手は汚さずに周りの人間をうまく操り、自らの欲のために人を殺めていく。人を信じすぎる事も怖いことだ。 最後のどんでん返しからのどんでん返しはさすが中山七里さんらしく、面白かった!
2019/08/09
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