風を繡う 針と剣 縫箔屋事件帖 (実業之日本社文庫)
風を繡う 針と剣 縫箔屋事件帖 (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
樋口佳之
平明な、ごく日常的な言葉を用い、丹念に紡いでいくうちに、美しく、滋味あふれる物語になる。(解説)/確かに、著者のお話、強い影響を受けているらしい藤沢周平作品、優れて平明であるという点に一致があると思う。/いろんなシリーズで活躍の剃刀の仙五朗親分は、著者の理想的岡っ引き像なのかしらん。出演回数では主役級、野球のストッバーみたいな使い方だな。
2023/06/23
のびすけ
久々のあさのあつこさん。縫箔屋丸仙の娘・おちえの時代青春ミステリー。おちえは器量良しで、剣術の腕前はかなりのもの。縫箔職人を志して丸仙に弟子入りした若侍・吉澤一居、「おいち不思議がたり」にも登場した岡っ引きの仙五朗親分らとともに、娘斬殺事件の真相に迫る。ラストがやや駆け足だったか。さらっと読了。
2020/08/14
カピバラ
安定のあさのあつこ。すらすら読めて、かつ面白い。ミステリーにしては謎が少し浅かったけど、人物の絡み方やキャラは魅力的。一さんが素敵だ〜!
2020/01/13
ユメ
縫箔屋「丸仙」の娘おちえは、剣術道場の門下生の中で無敵に近い強さを誇る。だが、町娘では剣を握って生きることは叶わない。そんなおちえの前に現れた吉澤一居は、彼女とは対照的な存在。武家に生まれ、卓越した剣の腕を持ちながらも、一居は「丸仙」に弟子入りしたいと願う。こちらも身分の壁を越えることは容易くない。2人が入れ替われるなら万事上手くいくものの、もちろんそうはいかない。それがいっそうほろ苦いのだ。女として縛られたものになるはずだったおちえの将来は、一居との不思議な縁によって読めなくなる。早くも続刊が楽しみだ。
2019/12/14
むつこ
シリーズ一作目。縫箔屋の一人娘と武士をやめて職人になろうとする青年の恋愛小説(かな)あさのさんの作品はその主人公に合わせた雰囲気で話しが進むので重みのある内容であっても、今回は軽めで会話もポンポンはじけているのでついていくのがたいへん。単行本が図書館でみかけなかったので本屋で文庫本を見つけ、書き下ろしだと思って購入してしまった。
2019/09/20
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