秘めゆり (実業之日本社文庫)
秘めゆり (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
starbro
花房 観音は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。【和歌+京都+官能】著者の真骨頂、性愛連作短編集でした。オススメは、表題作『秘めゆり』&その続編『くれなゐの桃』です。及川眠子(作詞家)の解説もGOODです! 【読メエロ部】
2020/09/07
じいじ
久々の花房観音の新作の性愛小説(官能小説の括りより、花房小説は〈性愛小説〉の方が似合うと思います)。さて本作は、いつもの京都を舞台に、恋の和歌をモチーフにした7短篇集です。とりわけ性愛描写は、丁寧で繊細で熱がこもっています。腹一杯いただきました。どれも粒ぞろいですが、敢えてお気に入りの一篇を挙げれば…。15年ぶりに雪降る法然院で再会した高校教師と教え子。結末のどんでん返しには暫し茫然、女の情念?!【雪の跡】。2篇の女同士の秘める恋も、花房さんが描くと嫌らしさを感じないから不思議です。
2020/06/29
けいこ
和歌をモチーフにした短編性愛小説7編。官能は官能だけれど、愛が伴ったそれに心から満たされた登場人物たち。感情移入してキュンキュン♡ 相変わらずの京都の情景と京ことばも良かった。百合話は守備範囲外だけれど、他はさすがに1編ずつしか進まなかったほどお腹いっぱい。ご馳走様でした。
2020/09/02
桜もち 太郎
官能7作品。花房作品と言えばやはり官能小説だ。官能といっても彼女の作品には性描写だけでは終わらない奥深さがある。この作品集も百人一首の和歌をモチーフにしいる。それぞzれの和歌を詠んでいくと、平安時代も現代も男女問わずにセックスが好きなんだと思う。「セックスして思いが深まる関係こそが、本当の恋ではないか」「むしろ、セックスからはじまる恋愛の方が純粋かも」と。それに連動しているのが心なんだと思う。この作品達には心があるのだと思う。だから読み続けることができるし、ちんけな官能小説と違う所なんだなきっと。
2022/10/08
かやは
和歌をモチーフとした女性向け官能小説。女性向けだと女性同士の性行為も作品になるのは興味深い。男性向けだとありえないんじゃないだろうか。
2022/03/29
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