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駒音高く (実業之日本社文庫)

駒音高く (実業之日本社文庫)

駒音高く (実業之日本社文庫)

作家
佐川光晴
出版社
実業之日本社
発売日
2021-02-05
ISBN
9784408556444
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駒音高く (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー

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mae.dat

7章からなる連作短篇オムニバス進行。どの章でも、それぞれの立場で将棋に向き合う姿を描いているのですけど、それ以外の背景を、生い立ちなど過去にも遡って丁寧に描き上げているの超好感です。どの話も本当に良いのですが、強いて挙げると『大阪のわたし』は主人公が意外過ぎて良い( ¨̮ )。『光速の寄せ』は詰ませたのは一体どちら?でも名局はお互いの棋力が拮抗し、最善手を続けてこそ生まれると聞きますしね。解説杉本さんの一言がまた良い(*˙˘˙)。『最後の一手』は熱い勝負魂と潔い引き際が格好良い(๑•̀ㅂ•́)و✧。

2022/09/21

じいじ

ヘボ将棋でも負けると悔しいものだ。ここに登場するのは、将棋のプロを目指す若者たち。遊びごとではないので、彼らの胸中は察するに余りあります。彼らの夢は、七冠を独占した羽生善治であり、いま注目を浴びる天才棋士・藤井五冠らと闘うことであり、勝つことだろう。今作の主人公は、学校へ行く合間を縫って「将棋会館」へ足を運ぶ研修生たち。順風満帆の少年に突如訪れるスランプ…。その健気さに胸を打たれます。「負けんな、ガンバレ!」と、思わず無言の声援を送っていました。

2022/11/16

さっこ

将棋を覚えたての子供達からベテラン棋士や新聞記者などさまざまな人たちの将棋との人生。少し連作の形をとった短編集。将棋だけではない人生の悲喜を描きながら、勝負という世界を多角的にとらえた作品。好きだけでは夢を叶えることの出来ない勝負の世界において、少年たちのひたむきな思いが伝わってきます。

2021/08/29

海燕

新年最初に読了。将棋を巡るあの人この人を取り上げた短編集で、どれも心が温まる話だ。例えば、将棋会館で頑張る子どもたちに影から声援を送る掃除のおばさん、奨励会を目指しながら叶わず断念に至る少年、控室で対局を見つつ予想した次の一手が敗着手となるジンクスを持つ観戦記者、といった風。著者のやさしい眼差しからは将棋に対する愛が感じられてよい。棋士への道は険しく遠く、各地で天才と呼ばれる少年が集まりしのぎを削っている。競争の世界は温かいエピソードばかりではなく、夢破れて去り行く者たちの知られざる物語があることだろう。

2023/01/03

緋莢

将棋を題材にした7編を収録した連作短編集。将棋を覚えて、順調に勝ち続けるも年下の子に負けてしまった小学生や、奨励会を目指して頑張るも、研修会で勝てなくなってしまった中学生、対局中にくも膜下出血を起こした棋士が再起を目指すなど、将棋を指す人が主人公の話もありますが、同時に将棋会館で清掃員をしている女性や娘が見せる将棋の才能に困惑する母親が主人公の話もあり、ユニークです。 この対局どうなるんだろう?と手に汗握る部分もありますが、それが主という訳では無いですし(続く

2021/06/15

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