なまえは語る (実業之日本社文庫)
なまえは語る (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー
タイ子
なまえに纏わる8つの短編集。出産前に医師から聞かされた性別が産まれたら違っていた。それに合わせて名前も決めていたのに。妻は絶対付けたくない名前が、夫にも思惑が…。この結末、面白いわー。親が再婚して子供の名前が途中で変わる時、親の事情なのに子供心が傷つく場合がある。還暦同窓会で再会した初恋の人、恋が再燃?と思いきや予想外の出来事が…。どの作品も普通には終わらない、新津さんらしいオチが用意されていて楽しめる。書き下ろし作品は一作品のみ。
2022/12/17
じいじ
「名は体を表す」というが、「名前」をテーマにした8短篇集。どれも程よくサビが利いて面白かった。今は、生まれてくる子供が「男」か「女」かは事前に分かるらしい。私たちの時代は、医者も分からなかったのか? 誕生まえには教えてくれなかった。我が家では、誕生前に私が用意した男・女児それぞれ3つの名前案を、二人で検討して決めました。あれから50余年過ぎて、二人の娘・息子から「どうしてこの名前にしたの?」との質問は受けていないので、満足して貰ったと思っています。
2023/12/03
Ikutan
命名に纏わるお話や夫婦別姓を取りあげたお話など、短編の名手、新津さんの「なまえ」を巡る短編ミステリ傑作集。書き下ろしは最終話の「こだわり」のみで、アンソロジーなどで既読の作品も多かったのですが、全く忘れていたみたいで、どの作品も新鮮な気持ちで読み終えた(笑)。すべての人に一生ついて回る「なまえ」だから、そこには色んな思いがあり、色んなドラマが生まれる。どんでん返しにハッとしたり、鮮やかなオチにニヤリとしたり。サクサク読める短編なので隙間時間におすすめ。
2023/02/22
sayuri
「名づけられて」「時を止めた女」「君の名は?」「時効を待つ女」「再燃」「お片づけ」「紙上の真実」「こだわり」名前を題材にした8話収録の短編集。書き下ろしは『こだわり』のみ。他は全て再読だったが、うろ覚えの作品もあったので再び楽しめた。『名づけられて』赤ん坊の命名に口を出す姑と勝手に出生届を提出した義姉。凄い家族だと呆れ返っていると物語は意外な方向へ向かう。イヤミステイストなオチが最高。『時を止めた女』はホラー風味。殺人事件の真相が明らかになると背筋がひんやりする。いじめをテーマにした『君の名は?』も辛辣。
2023/02/07
カブ
「なまえ」を巡る8編の短編集。子どもができて夫婦でなまえをあれこれ相談したとき、まさか相手が自分と違うことを考えているなんて想像もしていなかった。不倫相手と同じなまえは困るとか、昔付き合ってた人のなまえになってしまったらなんて考えると、ちょっと怖い。
2023/02/13
感想・レビューをもっと見る