猫は神さまの贈り物<エッセイ編>
猫は神さまの贈り物<エッセイ編> / 感想・レビュー
ちょろんこ*勉強のため休止中
猫に対するむき出しの愛情をぶつけた随筆が多い。猫好きでない人は小説編の方が楽しめると思う。事実は小説より奇なり、という事はめったにない。技巧が凝らされた小説の方が、淡々とした日常生活よりも面白い事がほとんどだ。ただ猫との交流が温かく描かれており、多くの作品が切々と胸に迫ってくるものがあった。各人各様に猫を愛しているのだ。そんな中で柳田國男の『猫の島』は猫を生物として捉えており、かなり異色。随筆というより論文だ。読み応えあった。あと吉行淳之介の『モテる系統のネコ』。短い随筆にも作家の味って滲み出るんだなあ。
2014/06/21
優希
猫への想いがあふれたエッセイの数々に、猫好きとしては共感することが多くありました。つくづく猫のいる生活を楽しみたいと思いましたが、動物アレルギーなので無理なのが寂しく。でも、庭に野良猫が日々遊びに来るので、その時間に愛でることにします。多くの筆者もまた野良猫を愛でていますしね。
2017/04/04
ぶんこ
1800年代生まれの方が半数近く書かれていて、文体の違いから読みにくい部分もありました。 無条件に猫好きな方、日本猫が嫌いという谷崎潤一郎さんには目がテンになりました。 やっぱり大好きなのは大佛次郎さんのエッセイ。 猫好き仲間だった木村壮八さんのお通夜に出掛ける大佛さんに、奥様が木村家の猫達にお土産を用意したエピソードには胸がキュンとなりました。 ワサワサとして、猫達に構っていられないでしょうから・・中々思いつかないことです。 さすがです。
2015/12/04
カピバラ
小説編を読みましたが、エッセイだとより猫愛が深まる気がします。どれも最高でしたが、特に木村荘八「我猫記/私の猫達」のところどころでてくる猫の挿絵が最高に素敵でした。
2015/10/16
Gummo
「猫好きの人間にはその我が儘なところが又たまらなく可愛いんでございます」(谷崎潤一郎)。猫愛の詰まった猫エッセイ集。白石冬美「桃代の空」は、和田誠さんの家で飼われていた桃代という猫の話。先日、和田さんの『ねこのシジミ』を読んだばかりだったので何やら嬉しくなった。シジミの先代猫なんだなぁ。そのほか、猫の踏み踏み行為と文明人のダンスとの関係を考察しようとする寺田寅彦「舞踊」や、猫を介した見知らぬ人とのやり取りが微笑ましい大佛次郎「ここに人あり」など、猫好きにはたまらない1冊。★★★★☆
2014/07/26
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