サルトル全集 (第3巻)
サルトル全集 (第3巻) / 感想・レビュー
KUMAGAI NAOCO
ジャン・ポール=サルトルの未完の長篇の第3部と第4部。ナチス・ドイツがパリ入城したその時、アメリカに亡命したゴメスの没落とフランスに残されたサラと息子の逃亡劇、生活を失ったジャックと愛が冷めたオデット、戦線に立って初めて自分が求めるべき自由について悟りを得たマチウ、共産主義の党の方針変更に疑念を持ち始めたブリュネなど、様々な在り方とそれぞれの進んだ道が描かれてる。恐らくブリュネが共産党から離党したヴィカリオスと共にナチス軍と戦死した所で、サルトルは自分の歩んだ長い道のりに対し区切りがついたのだと思う。
2018/04/30
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