サルトル全集 (第5巻)
サルトル全集 (第5巻) / 感想・レビュー
うぃっくす
短編集。水いらず、壁、部屋、エロストラート、一指導者の幼年時代。人の感情を深いとこまで掘り下げたり、人間関係は本人たちにしかわからない多面性がある、というような表面には見え難い踏み込んだところを書いてるのかな。最後のリュシアンくんはアイデンティティを模索しつつも結局人間ならではの性欲やら社会への迎合やら当時の環境に押し流されて他者の目を通じて自己を確立してしまうしエロストラートの最後もそうだけど色々悩んでかっこつけたいのに結局は現実の波に揉まれて滑稽になってしまう、というようなシニカルさもあってよかった。
2022/05/28
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