サルトル全集 (第12巻)
サルトル全集 (第12巻) / 感想・レビュー
mstr_kk
非常に面白かったです。カントの理論的枠組みに依拠しながら、想像力とは現実を否定し空無化する意識のはたらきである、ということを証明しています。その中で、「状況(シチュアシオン)」(意識が世界をひとまとまりの全体としてとらえる様態)の概念も提示されます。結論部分は用語がまるでラカンですが、ラカンはサルトルを意識していたのでしょうか。ラカンをもとにサルトルの理論を読み替えるような試みもあるのでしょうか(あったら読みたい)。細部の例が『存在と無』のように文学的で、そこも面白いのですが、納得できないところも。→
2015/01/06
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