サルトル全集 (第14巻)
サルトル全集 (第14巻) / 感想・レビュー
まどの一哉
おもしろいのは主人公が舞台俳優なので、舞台上で演技の上でのセリフと、それを逸脱して桟敷席の登場人物に本音で喋っていることが重なってくる仕掛け。この時点で他の一般客にとっては舞台は破壊されているがウケている。という設定を実際この作品が上演された時にはどうやっていたのか、気になるところ。二重三重のメタ芝居だ。 自分が気に入ったのは付き人でありプロンプターでもある男との楽屋でのやりとりで、リズム感のあるセリフ回しがとてもおもしろく、これはサルトルの才能だろう。
2018/11/20
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