サルトル全集 (第23巻)
サルトル全集 (第23巻) / 感想・レビュー
またの名
『想像力』『情動論粗描』に加えて、地味ながら実は非常に面白い『自我の超越』を収録。エゴが明確に意識される反省的意識が生じるよりも前に意識の領域でうごめいているのはエゴのない非人称の非反省的意識であって、デカルトのコギトやカントの統覚が意識を統括するのではなく、反対に様々な対象が現れることの可能な意識の地平からエゴが成立するという論旨を現象学的に考察。それでもエゴが自律を維持できる理由の一つに挙げられる無からの創造は、エゴが創ったものによってエゴ自身が遡及的に構成される事態を意味するもの。サルトル見直した。
2014/10/07
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