ロルティ伍長の犯罪: 〈父〉を論じる (ピエール・ルジャンドル 第 8講)
ロルティ伍長の犯罪: 〈父〉を論じる (ピエール・ルジャンドル 第 8講) / 感想・レビュー
アブーカマル
ルジャンドルの著作の中では分かりやすい部類らしいがそれでもやはり難しい。正統派ではないかも知れないが、宗教学の著作とも、犯罪心理学の著作とも、ロルティ伍長がケベック政府襲撃、逮捕、自己のイメージビデオ、裁判を通して主体を回復していくサイコドラマとしても読むことができ、面白かった。 ルジャンドルからぼくが学んだことは、もし子供ができても、DNA鑑定はしないということだ笑
2017/05/15
tamioar
ルジャンドル入門に最適。
2017/05/01
あだこ
フロイトの「トーテムとタブー」をとことん応用して西洋文明に適用させる。キリスト教圏であるヨーロッパにだけ言えること、という限定を付けているが、フロイトの「トーテムとタブー」の理論は人類の原始において起ったこととされているし、それを前提とするルジャンドルもまた単なる「西洋」を扱っているとは言えないだろう。しかしかれの父性原理やテクスト論などを東洋へと適用するとちょっと苦しい説明にはなりはしないだろうか。なんか物足りないのはそのへんかも。
2010/02/17
zk
すごすぎ 一生かけてこつこつフランス語やろうかな
2019/08/17
白いハエ
ルジャンドルの著作にはいくつか触れてきたが、この本によって腑に落ちるところが多い。訳者による丁寧な注釈にかなり理解を助けられた(特に〈父〉を中心とする精神分析用語において)。〈主体〉の同一化のプロセスを通ることによって、〈父〉と殺人の連関を浮かび上がらせる……だけではなく、その理路を、ロルティ伍長の裁判を通じて、法の解釈に新たな道筋を示そうとする態度が印象に残る。「法的に見える地位を殺人と父性原理に与えることである」 哲学は未来の息子を「殺さないこと」において、これ以上になく実践的なものと思う。
2019/07/19
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