評伝カンパネッラ
評伝カンパネッラ / 感想・レビュー
梨音
ひとことで言うと「変なオッサン」なのだが、占星術と自然魔術にかぶれて16世紀末にナポリで革命を企図し無事失敗したトンマーゾ・カンパネッラの評伝。イエイツ女史のブルーノ本の終盤でもヘルメス思想の末裔として紹介されていたカンパネッラだが、本書では基本的に彼の生涯を辿るにとどまっている。晩年にフランスに着いた後は謎の厚遇を受けたらしいのでその辺を詳しく読みたかったのだが、釈放後についてはほとんど記述が無くて残念。資料の多くを海外の先行の評伝に拠っているらしいが、それをそのまんま訳するのではダメだったのか……?
2016/01/29
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