モスクワの誤解
モスクワの誤解 / 感想・レビュー
ケイ
正直に思ったまま...。この訳はないと思う。タイトルも、これはモスクワで起こった誤解なのだから、原題通り『モスクワでの誤解』になぜしなかったのか。そしてボーヴォワールについては、彼女の書く女性の自立という意味がよく分からないのだ。世界的に評価された文学者であり活動家であることは承知しているが、サルトルとペアでなければどうだったのだろうと思わないでもない。この作品の、定年を迎え自分の価値に悩む初老の女性の葛藤には共感はするが、面倒臭い人だなあと言うのが正直なところ。
2018/06/15
くみ
【第114回海外作品読書会】「第二の性」とかサルトルとの独特な関係とか近寄りがたいイメージだったボーヴォワール。図書館の新着図書で、えいっと読んでみました。60年代のソ連が絡むし弾き返されるんじゃないのと思いつつ開けてビックリ。恋愛小説でした。しかも退職した夫婦の「夫婦喧嘩は犬も食わない」。妻のニコルはボーヴォワール、夫のアンドレはサルトルを想定と解説にあったので更に驚き。クールで淡白そうなボーヴォワールの独占欲とか愛されたい欲求が素直に放出されてるようでした。いくつになっても好きな人の1番でいたい。
2018/07/29
niki
退職した夫婦のモスクワ旅行の物語。1967年に書かれたとは思えないほど新しく瑞々しい。 ボーボワールは漠然と憧れており『老いについて』を読みたいけれど難しそうなのでこの本を選んだ。 老いと共に変化する身体や性、人生観に対して考えうつ向いてしまう主人公の女性。名言ばかり。共感できる思いが沢山あった。「少しは自分を愛さなければ、抱かれたいとは思えない」 夫婦間の言葉のやり取りについては老いとは関係ないと感じた。愛の形は年齢によるものではなく、そのカップルの人格によるもの。愛に年齢は関係ない!
2023/04/28
Э0!P!
老いと嫉妬、愛に対する過剰な期待でお互いの不信を募らせる。
2022/01/05
サハ
いまはまだ初老なので、これから本格的な老いを迎えた時に思うこと、こういうすれ違いがあるんだということを興味深く読んだ。歯が抜けないかと頬を押さえる・・・もう魅力ある女性として対象に含まれないと実感する(これは日本ではもっと厳しいような気がする)。
2021/09/04
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