国家と資本主義 支配の構造
国家と資本主義 支配の構造 / 感想・レビュー
ゆうきなかもと
ナショナリズムは、資本主義故に。ナショナリズムによる格差拡大故に、ナショナリズムが弱り、これからは、地域主義に向かって行くというのが佐藤優氏の見立てだが、それは宮台真司氏と、ほとんど同じ見立てのような気がした。違いがあるとすれば、佐藤氏は、現象としてその方ヘ世の中が向かっているという表現で、宮台氏は、その方向性にこそ希望があるという表現なのだと思った。
2022/09/19
元よしだ
読了 講義形式おもしろいです! 以下引用 キリスト教やマルクス主義の信条体系は、どちらも偶然的なものである。両者は様々な主題の複合体として構成されている。その主題の一つ一つはそれぞれが生じた状況に固有のものと言ってよい。しかし、名称と歴史的実在性と連続性の特別な結合体として、一連の思想家や説教師たちによりある種の統一体へと作り上げられた。この統一体は、選択的に利用されてきたにもかかわらずある程度生き延びている。さらに、教義を非常に深刻に受け止め教義を強い決意をもって適用しようと社会を支配することになった。
2022/08/12
あにも
現代社会における資本主義とナショナリズムについて、社会人類学者ゲルナーの「民族とナショナリズム」をテキストに考察した講義録を書籍化したもの。引かれているゲルナーの文書自体は読みにくく、うまく理解できなかった。あらためて「ナショナリズム」の理解が興味深い。
2022/11/07
酩酊石打刑
ネットニュースのコラムでこの人のウクライナについての記事を読んで、元外交官というリアルポリティククスの視点からの分析が面白かったので、新刊の広告を見て読んでみた。しかしながら『民族とナショナリズム』という本の大学での講義記録ということで、ちょっと期待していた内容とは違っていた。しかしながらレーニン『国家と革命』吉本隆明『共同幻想論』での理解からほとんど進歩していないおバカな老人の頭には、若い人たちと一緒に勉強できたような気分になることができた。〈ナショナリズム〉についての実態理解の補助線が多くなり感謝だ。
2022/07/23
ディスカバ
ゲルナーの「民族とナショナリズム」をテキストに国家や民族について学ぶという内容。国家は産業社会の要請によって現れたものであるとし、確固とした教義がないことが特徴とのこと。本書では国家の恐ろしさや教育にとっては都合が良いことなどが読み取れる。本文中にイソップ童話の「酸っぱい葡萄」が登場する。資本主義社会は永遠の椅子取りゲームであり、そのことを分かりながら上手く対応していくことが大切であるという示唆がとても共感できた。
2022/07/13
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