河合隼雄のスクールカウンセリング講演録
河合隼雄のスクールカウンセリング講演録 / 感想・レビュー
ばんだねいっぺい
どこまでも、必要なのは、“真摯さ”なのかなぁと思った。但し、全体的視野を持つという条件付きの。ユングもフロイトも実体験を通じて大家となったのだ。クロノスとカイロス。「怒鳴られたら勝ち」と思うこと。 いつも、考えさせてくれるから助かる。
2019/08/18
roughfractus02
教育現場へのスクールカウンセリングの導入で生じる問題を、著者は教えると育むのバランスの歪みと捉える。前者は生徒をクラス、メンバーのような全体的な集合の枠組みで捉えることを多いが、後者は個々と対面することで全体の関係を経過的に見る。本書は両者の時間概念を取り出し、カント的な空間と共にこの世界を作る枠としての抽象化された時計の時間(クロノス)と、ハイデガー的な時と共に熟する(時熟)身体化された無意識の時間(カイロス)とのバランスが、教育に必要であるという。著者は前者にある「教師」に比して後者を「育師」と呼ぶ。
2023/02/12
みきすけぶんぶん
心理の仕事にかかわるものではないけれど、人の話をきくということの真理がわかる本。カウンセラーとしての心得が語られているが、人間としてとても大事なところ。。。でもそれをプロとして実践できるからカウンセラーなのですね。晩年に語られたということで、河合先生が生きていた時代のなかで、今現在に近い(より新しい)というところでも興味が深かったところもありました。しかし非行少年の話には、本筋かかわりなく感動しました。人に話を聞いてもらうって大事。
2015/12/07
湯飲み猫
スクールカウンセリングでは生徒やその親だけでなく、担任や校長、学校全体を見なければならない。いや、それどころか、今の社会の様子や、社会がこれからどうなっていくのかも見極めて、その上で生徒個人を個人として見る。マクロな視点とミクロな視点を持たないといけないとは、カウンセラーが専門職だというのも頷ける。
2012/04/29
ひだり
河合隼雄さんの言葉はどれも分かりやすくてすぅっと身体に入る。そしてカウンセリングへの思いが高まる!
2015/09/19
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