河合隼雄のカウンセリング教室
河合隼雄のカウンセリング教室 / 感想・レビュー
モッタ
★★★★☆ カウンセリングは日常とは違う場だということを態度で示さなければならない。「私はできる限り深いところに注目していますよ」というメッセージを発する必要がある。そうすることで、いつもは言えないけど、この場、この人になら話してみようか、という風になる。カウンセラーは、ふるまいが大切。
2013/02/01
roughfractus02
本書を読むと、臨床の時空は科学の幾何学的滑らかさや宗教の天地を貫く垂直性とは違い、凸凹して伸縮しているように感じられる。そのつど制限を付してゴール設定するその背景にゴールの見えなさがあるのなら、カウンセリングの時空はフラットではないからだ。クライエントは話しつつ自らの声を聞く別の自分を作り、それを聞くカウンセラーも反省的な自己と対話を始める。家族、文化、倫理の内外を往還するこれら複数の対話に終わりはなさそうだ。カウンセラーはクライエントが自己決定に至った時も、思いは複数でも口は一つしかないと考えるという。
2023/01/12
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
河合隼雄氏の講演録には引き込まれるものがある。ユング派のベテラン臨床心理士の講座を連続で受けたことがあるが、それはおよそ河合氏がこの本で語っている内容(その精神)と重なっていた。河合氏が日本の臨床心理学、特にユング派の人々にどれほど深い影響を与えていたのかがよくわかった。対人援助を職としている人は、河合氏の著書で語られていることは必ず役に立つし、その経験者ならば共感することも多いはずである。
2020/05/19
sayanu
カウンセラーに向けた心構えを河合の経験から話した本。出版は2009年。2001年からの講演録をまとめたもの。この10年でカウンセリングそのものの認知度や研究が随分進んだんだなあと思うほど、前半は何をそんな古いことを言っているのだ?という部分が多かった。
2018/01/02
A子
カウンセラーは少しおせっかいな傍観者くらいの立ち位置がいいのかもなぁ。あと、治ることはしんどいことっていうのはホントその通りだなと。そこにどう寄り添っていけるかを考えないとなのかも。
2017/01/23
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