アンゲラ・メルケル演説選集: 私の国とはつまり何なのか
アンゲラ・メルケル演説選集: 私の国とはつまり何なのか / 感想・レビュー
旅するランナー
①2021年のドイツ統一記念日に行った首相としての最後の演説、②2015年に移民に対して国境を解放したままにするという決定を伝えた演説、③2008年にイスラエル国会で行った演説。東ドイツ出身なだけに「民主主義とはそこにただ存在しているのではなく、私たちは日々繰返し、共に民主主義のために努力しなければならない」という言葉に説得力がある。過去の過ちを真摯に認める姿勢も素晴らしい。そして「出逢いに臆病にならず、お互いに興味を持ち、自分のことについて語り合い、違いを認めて下さい」という教えは心に刻もうと思います。
2022/12/16
樋口佳之
CDUの社民化というお話もあったけども、やはり一流の保守政治家だったのだなと思いました。彼女を引き上げたコールの存在も大きいと思う。現在のドイツができてまだ40年位なのだという事に改めて意識することができました。ご紹介に感謝です。メルケルさんの演説本というと、宗教演説のものもあります。https://bookmeter.com/books/13162919 なんと言ってもCDUの党首だし。こういう所はホント日本とは違うなあ。
2022/12/19
風に吹かれて
「私たちが民主主義を必要としているのと同じく、民主主義も私たちを必要としているのです。民主主義とはそこにただ存在しているのではなく、私たちは日々くりかえし、ともに民主主義のために努力しなければならないのです。」(「ドイツ統一記念日における演説」(2021.10.3))、そして「多様性と相違こそが生きた自由の形の表れ」(同)という。それこそが東ドイツ出身の首相として2021年12月に政界から身を引いたメルケルの信条であり、国内では批判もあった「難民に壁を作らない」という姿勢につながったのだろう。 →
2022/10/15
ykshzk(虎猫図案房)
メルケル氏を指導者として尊敬していた。冷静な態度や、徹底した公私の切り分け方など、女性として見習いたい点も沢山あった。難民問題に際しての「目の前で困っている人に手を差し伸べない国は、私の国ではありません」というような内容の演説が印象に残っていて、こちらを借りてみる。「私の国」がどんな国であるかを考えるには、エルサレムで行われた、イスラエル国会での演説に大きな手掛かりがあるように感じた。歴史的責任を背負う国はドイツだけでは無い。それを踏まえて、個々人でも世界規模の共通認識を持つことの必要性を改めて感じる。
2022/11/08
ソングライン
2021年に政界を引退した前ドイツ首相アンゲラ・メルケルの3つの演説が載ります。一つは引退直前のドイツ統一記念日のもので、東ドイツ出身者から見た平和革命で得られた自由の尊さと西ドイツの優越性について真摯に語り、移民問題に揺れた2015年では人道主義を貫く覚悟を見せ、イスラエル国会での演説では自国で行われた大量虐殺は東ドイツ時代は西ドイツがやったことと教えられたと正直にのべ、未来永劫許されることのない歴史的責任であると認めています。自由、民主主義、そして人間の尊厳の尊重を主張しています。
2023/03/07
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