あの日からの或る日の絵とことば: 3.11と子どもの本の作家たち
あの日からの或る日の絵とことば: 3.11と子どもの本の作家たち / 感想・レビュー
岡部敬史/おかべたかし
3.11の体験を32人の絵本作家が綴った本。私たちの「普通」の体験にも読むべきことがあると編んだ筒井大介さんをリスペクト。あの日を思い出して、あんぱんと牛乳を描く加藤休ミさんに共感。あの日の物語は普通の生活にもあった。子供さんと一緒にあの震災を考えるにもいいきっかけになる優れた本だと思います。
2022/03/11
fwhd8325
この新型コロナの時代に、時折「東日本大震災」を重ねて考えることがあります。もちろん、あの震災とコロナを同列におくべきではないと思っています。ただ、想像もしていなかった事態に遭遇したとき、人は、どう考え、行動するのかと言うことでは共通しているのではないかと思うのです。絵本の体裁をとっていますが、内容の濃い子供から大人まで満足できる作品でした。タイトルにある「あの日から」を境にした心は、褪せていないことを願うだけです。
2020/05/06
モリー
三者三様、十人十色。それもそのはず、あの日どこで何をしていたか、どんな状況に置かれていたか、とんな経験をしたか、何を見たか、何を見ていないか、それまで何を考え続けてきたか、考えてこなったか、一人一人違うのだから。それで良いのだと思うのです。大切なのは、一人一人が考えること。あの日を境に私はずっと考え続けています。今朝、庭の枝垂れ桜の木陰でこの本を読みました。10年前、本を読めるほどに日差しを遮る木陰は我が家の庭にありませんでした。木が育ち、ようやく木陰で本を読む事が出来るようになりました。
2021/05/08
seacalf
2011年3月11日のあの日、32人の絵本作家や画家、歌人、イラストレーター各々が体験したり感じた事を絵とエッセイで綴っている。錚々たる顔ぶれが揃っているが編者筒井さんが敢えて編んだように皆さん直接の被災者ではないので、当時東京で経験した自分に距離感が近い話が多い。先日も東北地方で大地震が発生したばかりなので記憶が蘇る。ウクライナではロシア軍によるチェルノブイリ放射線監視施設の略奪が発生。放射能の恐怖に怯えた日々を知っているのに、手をこまねいているばかりの歯がゆさ。他人事と割り切ってはいけないと強く思う。
2022/03/24
けんとまん1007
誰もが、何かを感じ、今もそれを持ち続けている。ただ、そうでない人たちも、いることは残念ではあるが。そんな中、絵本に携わる方々の、心模様が、絵とともに、描かれている。改めて、考えてみることの大切さを実感する。この絵の前では、あらがうとはできないのが、本来の意味でのヒトだと思う。
2019/07/20
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