帰郷 下
帰郷 下 / 感想・レビュー
プチライス
戦争がもたらした多くの死、音信不通、別離、「不本意な帰郷」。「いったん手放した糸をもう一度たぐりよせるのは」しんどいことと思う。「どこかに安住の地を、満足して暮らせる家を見つけたいという憧れ」「警戒心を捨てて自分の本来の顔を見せることができる場所への憧れ」さえ見失う危機的局面も。「この家そのものの、魔法のような性質」により失意の者たちを受け入れて癒す「心安らぐ憩いの家」、「いろいろな人にとって安らぎの場に、すばらしいわが家(ホーム)になった」ダウア・ハウス。いつか、また、この大好きな物語に帰ってくる日を。
2015/01/02
Camille
長かった「帰郷」の旅が終わった。時空を越えた旅のようで、どっと疲れを感じた。でも辛さを感じる疲れでなく、幸福感と安堵の溜め息に満ちた疲れ。ピルチャーとの出会いは十年前。それ以来、心が疲れて乾き始めると、水を求めるようにピルチャーの本を探す。人を真っ直ぐに愛することの大切さ、そしてそれがいかに幸せなことかを教えてくれる。
2014/05/22
よし
ついに読み終えてしまった。1000頁以上の大作。1週間で。確かに、「20世紀の戦争と平和」といえるものだった。戦争で、コーンワルの人々の身に降りかかる生死の物語。やっと終わった後に、「帰郷」するジュディス達。そして、「帰郷」できなかった人達。彼らの物語は、なぜか自分の一族の物語のように感じられ、懐かしさが取り巻いていた。ラストもhappy endで心温まって頁を閉じることが出来た。この本と出会えたことに感謝したい。
2018/05/17
rosana
上中下、あっという間に読了。ピルチャーの作品は、いつ読んでも健やかだなぁと感じる。幸せな気分になりたい時、無性に読みたくなる。赤毛のアンシリーズに通じる様な、誠実な生き方が常に描かれている。今作は第二次世界大戦を挟んで、少女から大人の女性へと成長する主人公と、彼女を取り巻く魅力的な人々が描かれる。ピルチャー作品でお馴染みのコーンウォールの風景描写も魅力的だ。主人公の生き方を通して、自らの心の持ち方を、もう一度見つめ直したくなる。ラノベ的な甘さもあるが、とても上質な物語だと思う。それにとてもロマンティック。
2018/02/04
入江大和
過去の読書記録より記載。
2004/02/12
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