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猟奇歌

猟奇歌

猟奇歌

作家
夢野久作
赤澤 ムック
出版社
創英社
発売日
2010-02-01
ISBN
9784434141645
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猟奇歌 / 感想・レビュー

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青蓮

ふと読みたくなったので再読。この本は静かな真夜中に読むのが相応しい。短い言葉の間から暗闇が滲み出し、血が滴ってきそうな気配がする。歌の余韻からひたひたとやってくる。不気味に死に絶えた夜。人間の悍ましい暗部を覗く、その目に焼き付けて。「頭の中でピチンと何か割れた音/イヒゝゝゝゝ/……と……俺が笑ふ声」

2017/09/12

青蓮

ふと読みたくなったので再読。この本は静かな真夜中に読むのが相応しい。短い言葉の間から暗闇が滲み出し、血が滴ってきそうな気配がする。歌の余韻からひたひたとやってくる。不気味に死に絶えた夜。人間の悍ましい暗部を覗く、その目に焼き付けて。「残虐なる猟奇の眩暈を、嗜める大人だけの密やかな愉しみさ。」

2016/06/16

青蓮

人の暗部を詠んだ作品。本書のタイトル通りどれもゾッとする歌ばかり。歌の余韻が想像力を掻き立てる。眠れない夜のお供にどうぞ。「残虐なる猟奇の眩暈を、嗜める大人だけの密やかな愉しみさ。」挿絵はそれほど好みではないけれど、作品をより恐ろしい物に見せているパワーはあるかと。

2016/01/05

多田幾多

日常に潜む、人間の心の奥にひっそりと息づく狂気を不思議で不安で病んでいるような短歌で見せつける。多分、作者…夢野久作が生前ずっと思っていた事を唄ったんだろうか?でも、考えても考えてもその作者の気持わ分からないが、ふと、ふとある日その短歌に共感を持ってしまったら、アナタはもうこの作者と同じ。〈自分より優れた者が 皆死ねばいヽにと思ひ 鏡を見てゐる〉

2014/02/13

ちぇけら

桜ふるなかで〈たすけて〉ひらがなのひとが病に斃れてゆくの。一緒に良い事をしようト、彼奴はお月サマのように黄色い歯を出して笑った。私の髪毛を一本ずつ抜き取り、口に入れては咀嚼する。処女の髪毛がいちばん美味いのだヨ。云うと私の太腿を撫で、今宵もイムポテンツの彼奴に抱かれる。明けて呉れと思うほど、夜は長く濃くなるものだから、彼奴との夜を愉しいと思う。思う、思う、思ううちに胃の奥から酸ッぱい液が上がって来るから、彼奴を何度も殴打する。止まらない血液を舐めあげて、欲にまみれた男の血液がいちばん美味いのヨと呟いた。

2020/05/24

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