舞うひと 草刈民代×古典芸能のトップランナーたち
舞うひと 草刈民代×古典芸能のトップランナーたち / 感想・レビュー
Kei
舞う、というただ一点のみの対話集。何かを極めた方々の美しさと潔さを感じます。おもしろいのは、古典の方ほど革新的で、新興の方ほど古典的。ただ、両者、肉体と精神のどちらのバランスも欠くことなく、鍛練を極める姿勢には感じ入ります。姿勢が伸びた一冊でした。
2017/11/24
ひとひら
★★★★ 舞うための美しい身体と精神を持ったトップランナーたち。聞き手も同様に美しい草刈民代。知らない世界を垣間見ることができた。それぞれを楽しむときに参考になり、勉強にもなる。踊っている写真は静止画でも動きを感じる。息をのむ。毎回お相手に合わせているであろう装いの草刈さんも素敵。異世界の私からしたら、もう少しプライベートな話も聞きたいと思ったりするくらい純粋に踊りの話。
2017/10/22
rinrinkimkim
草刈さんと菊之助さんの対談が読みたくて・・・そりゃもちろんうっとりと写真見ながらねぇ。あと雅楽の方との対談が面白かった。「つつがなく」美しい日本語ですねぇ。井上八千代さまとも対談なさっていて期待以上にステキな1冊です。日本芸能を違った切り口で読ませてるんですね。踊るがキーワードです。草刈さんが対談相手の方をお尋ねになりお稽古場で写真撮影してるんですけど足袋が!足袋を履いたおみ足が美しい
2017/12/14
絶間之助
古典芸能好きの私にとって、とても面白かった。「舞う人」達はそれぞれの世界を持っていて人により、心構えが違うのですね。最古の芸能である舞楽の多は「喜怒哀楽を出さない」「つつがなく伝える」と言われてきた。能でも観世清和は「エンターテイメントを目的としていない」と言い、梅若玄祥は「幽玄とエンターテイメントの両方があるから続いてきた」と言う。歌舞伎では菊之助は「江戸時代の歌舞伎をどれだけ表現できるかが目標」と言い、猿之助は「時代が変わるから、歌舞伎は新鮮でないと」という。ダイバーシティの極みでありました。
2018/02/22
筋書屋虫六
雑誌「なごみ」で連載された対談が単行本に。各分量は少なめですが(実際はもっと合ったのかもと想像)どの対談も良くまとまっていて面白かった。バレリーナという立ち位置から日本の「舞う」伝統芸能に切り込む草刈民代と言う聞き手の感度や理解の深さが感じられた。日本文化が相対化されたこともあるけれど、小さい頃から成長過程を身体を作り技を磨くことに費やして来た経験を共有してこそのやり取りだった。萬斎との声をめぐる話、猿之助の「ワンピース」における洋舞への翻訳の話、麿赤兒とも!そして、写真がきれい…さすがは淡交社…。
2017/12/29
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