「勘違い」だらけの日本文化史
「勘違い」だらけの日本文化史 / 感想・レビュー
shikashika555
有職故実研究家による 楽しい読み物。 平安時代を中心とした貴族文化を元に、現代の我々が日本の文化だと思っている諸々のことを解説している。 牛車がスピードレースするほど高速で走るのは知らなかった。 なかなか楽しそうである。
2021/07/21
六点
『有職装束大全』がツイッターで宣伝され大ヒットした藤原北家四条流羽林家の、故実研究家の実に肩の凝らない日本文化史本である。「月見団子はもともと里芋だった」と言う、民俗学出身者には「そりゃ『芋名月』って言うくらいだからな」と言う物から、「料理は男性公家の上品な趣味」と言う、そりゃあ本家筋の四条家は庖丁道の家だしな、と、言われてみりゃあそうだな、と、目からウロコな事実が、博引旁証、公家の教養の物凄さとともに読者に押し寄せる。公家を公家たらしめたのは、教養の暴力的分厚さであるのだと、読者に悟らせる一書である。
2021/09/23
ひよピパパ
思わず人に話したくなる、日本の文化関連エピソード満載の一冊。各話が2~3頁でコンパクトにまとめられているのもいい。特に面白かったのが「忠臣蔵」の裏話。吉良上野介が桂昌院従一位昇叙運動に関わっていたこと、彼が朝廷側に嫌われていたこと、そして大石内蔵助と朝廷側とに隠された繋がりがあったこと等々示唆に富んでいた。その他、「おせち料理」の起源や、「アオサギ」の名前の秘密も読んでいて納得した。天皇が作ったなぞなぞ集『後奈良天皇御撰何曾』は初めて知った。「十里の道を今朝かへる」これ何ぞ?答えは「にごり酒」。面白い!
2021/08/10
ユキタ
面白い雑学の本だった。過去の文献に根拠を求めるうちに分かってきた「実は根拠のない文化」「根拠と乖離していった文化」たち。根拠がなくても数百年と積み重なれば文化になる反面、聴きたい事だけを聴き見たいものだけを見る危険性はデマやフェイクニュースが飛び交う現代においても肝に銘じておきたい。
2021/06/03
雀
★★★★☆ 十二単は御姫様服というよりも制服でしたとか、小野小町の花の色は移りにけりなの花は桜じゃないらしいとか、知っておくと古典読むときの味わいがより深くなる豆知識満載のお得本。
2021/09/22
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