KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

悪意なき欺瞞

悪意なき欺瞞

悪意なき欺瞞

作家
ジョン・K・ガルブレイス
佐和隆光
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2004-10-01
ISBN
9784478210543
amazonで購入する

悪意なき欺瞞 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

壱萬参仟縁

表紙見返しに結論が書いてある、珍しい本。 「社会的な選好、習慣としての選好に加えて、 経済学界や政治学界においては、個人または 集団が手にする金銭的利益が現実を見えにくく するという傾きが、他の学問分野に比べて はるかに顕著である。」 この理由を知るために、読む気にさせる。 2004年初出。 資本主義改め、 自由企業体制という謂いが提案された(24頁~)。 問題なのは、労働が、個人差のとてつもなくつく営み(44頁) という点。 正規/非正規、高収入/低収入はすぐに思いつく。

2014/03/30

wiki

現今の世界と日本が経済的にどのような状態であるのか、よくわかった。特に推薦して人にも読んでもらいたい。読了人が少ない事は、売れた本が良書という訳でないことを悟らせる。「景気後退の確実な治療法の一つは、個人消費支出の堅実な伸びを誘う事である。言い換えれば、個人消費支出の低迷こそが、景気後退の元凶なのである。」にも関わらず政策は個人消費を後退させる事を推進している。目下、日本は参議院選挙が近い。真にこの事を理解して、批判だけでない現実的な対策を取ろうとしている政党はどこなるやらん、だ。求めて指導者とすべきだ。

2019/06/18

Francis

何と16年間も積読していた本。尊敬するガルブレイス先生の本なので捨てずにとっておいたらそんな年月が経ってしまったらしい。内容はエンロン事件後の経済界の状況、あるいはイラク戦争の軍産複合体の動きについて。終わりの方で中央銀行の実施する金融政策は経済成長を促す効果はない、と断言しているが、まさに預言と言うべき言葉。金融政策と対比される財政政策については理論的な事は教授は言っていないが、教育、住宅、福祉など国民生活を支えるための支出が十分に行われていないと語っている。

2021/04/15

Humbaba

人の行動は必ずしも正しいわけではない。悪をなす時に自覚的に実行することもあれば、無自覚に行ってしまうこともある。不正な行いは別の人がやれば咎められるようなことでも、権力者などの一部の人がやったときには見逃されることも多い。そのような問題があるということを認識しておかないと、ルールを作った側に良いように躍らされることとなる。

2017/08/27

yn_redqueen

「権力をかさにきた不条理を敢えて追求しないのは、悪かそれとも賢い判断なのか?」『欺瞞』といっても大規模な不正や陰謀について語られているわけではなく「支配者は市場システムではなく売り手」「経営者の目的は自己利益」と寅さん曰く「それを言っちゃあおしめえ」というか「みなまで言うな」という事実に敢えてケチをつけた本。せめて『茶番である』ことぐらいには、自覚的であれということだと思う。加えて作者「戦争は憎むべきである」…ごもっともです!

2011/08/03

感想・レビューをもっと見る