イタリアの缶詰―おいしくて・たのしくて・にぎやか
イタリアの缶詰―おいしくて・たのしくて・にぎやか / 感想・レビュー
ヴェネツィア
これまでに読んだ(とはいっても、まだ4冊目だが)内田洋子さんの本とは少し雰囲気が違っている。既読の3冊は、いずれもエッセイというよりは、「私」を主人公とする小説といった情趣をたたえていた。本書は51のエピソードが、散文のスタンツ風に書かれており、おおむねは明るく軽快なイタリア模様であり、イタリア人たちの人生の断面である。そして、それらを眺め、書く著者のスタンスはesprit(イタリア語では何というのだろう)に溢れている。もちろん、愛すべきイタリアとイタリア人への尽きせぬ興味と愛着と共に。
2016/11/25
どんぐり
A~Wで終わるおいしくて・たのしくて・にぎやかなイタリアの51のエピソード。刊行が1997年。ここにあるいくつかの話は内田さんのその後に出た本にも書かれているが、それでも飽きさせない面白さ。「生のかたつむりは潰瘍に効く」とかたつむりの踊り食いをする男や、解凍した鰻が生きていたのに驚いたり、いろいろ出てくるイタリア生活身辺雑記。
2019/09/15
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
一話、一話が今まで読んだ内田洋子さんの他の作品よりページ数が少なく、もう少し読みたかったと感じさせる話が多い。「menu 定食 クーラーがなくても、トマトがあれば」の中に出てくるトマトサラダ。ざく切りトマトに、ニンニク二~三片、塩とオリーブオイルで味付け。これに、モツァレラチーズと焼きたてのパンに冷えた白ワインを合わせる夏の献立。今年の夏は是非ためしてみたい。
2017/04/25
Matoka
ジーノの家がすごく良かったので2冊目。一編一編がちよっと短すぎて物足りなかったな。それぞれの話をもう少し読みたかった。ジーノの家みたいな長さでリライトしてくれないかしら。
2015/11/07
翔(かける)
ABC順に並んだ短いお話たち。時に皮肉混じりに、ユーモアのエッセンスを付け足して、著者の言葉で綴られたイタリアの人々の人生の一コマ。忙しい日常の合間に少しずつ読み進められる、ひと息つけた一冊となりました。
2023/12/03
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