鈴の神さま (だいわ文庫) (だいわ文庫 I 361-2)
鈴の神さま (だいわ文庫) (だいわ文庫 I 361-2) / 感想・レビュー
タイ子
5つの時代に生きた人たちと鈴の神さまとの出会いの不思議な物語。四国のある山間の小さな村を舞台に、夏休みに祖父の元を訪れた少年、戦中に疎開してきた身重の女性、先が見えずに嫁いだ姉の元に帰ってきた売れない役者など、普通の人には見えない神さまの姿が彼らには見える。そして、その出会いが彼らに生きる喜びを与えてくれる。この神さまがとにかく可愛い。人間界に舞い降りた神様だから世情に疎くて会話に思わず微笑んでしまう。ラスト近く「とうとう、夏休みがきたのじゃな」ってセリフで思わず涙が…。いい本でした。
2018/08/30
ひさか
2010年第5回ポプラ社小説大賞最終候補作(入賞せず)の連翹荘綺譚に大幅に加筆修正し、2012年7月ポプラ社から刊行。2018年7月若干の修正を加えて、だいわ文庫化。知野さんのデビュー作。5つの連作短編。自らを鈴守と呼ぶ鈴の神様が登場するファンタジー。神様の安那が可愛い。言葉使いから、NHKのおじゃる丸を連想してしまいます。1話目の鈴の神様の話が良い。5話目が、その14年後で、締めくくる話なのだが、1話目ほどには、心に響かなかった。2〜4話は、それなり。
2020/10/14
香翠
田舎の神社に住まう神さまを軸に、彼らと小さな交流があった人々を温かく描いた作品。時代によって生活の状況は異なるけれど、人懐こく愛らしい神さまはするりと彼ら彼女らの中に受け入れられ、大切な存在となっていく。図書館の棚を巡っていた時に何となく目に留まり読み始めましたが、年の瀬に良い作品を出会えてちょっとしあわせ!
2022/12/31
のびすけ
鈴の神さま・安那は四国の田舎町、山の上の神社に奉られている。安那の姿は見える人にしか見えない。そんな幸運な人達と安那との楽しくて心暖まる物語。とにかく安那がとても可愛らしい。姿は5~6才くらいの子供でお菓子好き。アイスでお腹壊したり、ポテチで蕁麻疹になったり、「ヤスオちゃん?」て名前間違えられたり。神さまだけど全然神さまらしくない。どこかトトロの世界を思い浮かべながら読みました。とても面白かったです。
2020/03/13
お涼
再読。文庫本が出ていたので購入。「とうとう、夏休みがきたのじゃな!」この一言の破壊力といったら。安那様の無邪気さに心癒されます。
2018/07/16
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