重層的な非決定へ <新装版>
重層的な非決定へ <新装版> / 感想・レビュー
夜雨直樹
この本はとにかく特異な本だ。まず、形が特異だ。相当分厚いと言うことがある。縦・横幅は普通の単行本のサイズなのだが。どでかいのだ。縦幅が短いと思ったのだが、普通だ。そして、真っ白い表、裏表紙とシンプル過ぎていて、表側に「定価=2200円」と言う文字が。題名と何か関係があるのか。それから、また内容が異様である。序盤は埴谷雄高へ、訴えたい旨を手紙形式でこんこんと説いている。ただ、吉本氏の埴谷への訴え方、その姿勢の良さが、文章に現れていて、読んでいてとても厚い。それはけれんみのない崇高なものだ。<続>
2019/11/03
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