早春スケッチブック (山田太一作品集)
早春スケッチブック (山田太一作品集) / 感想・レビュー
いちろく
課題本。同名のTVドラマ脚本。物語の舞台は1982年度の冬、子連れの同士の再婚夫婦の元に、とある事情で息子の実の父親が絡んでくる所から物語が動く展開。荒れている不良がごく当たり前に登場したり、本人に直接ガンの告知を控えたり、バブル経済直前の独特な雰囲気があったりと、まさに時代を反映している内容と感じた。今から35年以上前の作品にも関わらず今の時代にも通じるモノもあると思え、時の流れの中で変化するモノもあれば変化しないモノもある、という当たり前の事を再認識出来たのが現時点で一番の収穫。
2020/12/06
きた
親父に感情移入して読んだので途中すごく辛かった。だからこそ最後の得意先に電話かけてる親父を見て沢田が涙を流すところ、本当に救われた。これは、冒頭の自家用車通勤のとこと同じ小市民的性質の描写なんだけど、そういう性質が今まで家族を守ってきたんだってところでジーンときた。あと「かけな」「おいで」などの古臭くて今あまり使わないような話し言葉、あったかさを感じられてよかったな。
2010/09/01
TOPI
☆☆☆☆☆
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