民衆史の遺産 第六巻「巫女」
民衆史の遺産 第六巻「巫女」 / 感想・レビュー
メーテル/草津仁秋斗
巫女に関する論を、古いものから新しいものまでまとめた本。最後に載っている谷川健一の小説風の作品もよかった。
2015/12/03
momen
巫女の学術的研究を纏めた本。原始時代~近現代までの巫女を取り巻く環境・職務・地位の変遷と内容が具体的に説明されている。支配者や朝廷の元で働く者、民間で流浪の生活を送る巫女、琉球の政治と信仰が一体化したシステムなど取り扱う範囲は幅広い。巫女が後年遊女に変化したプロセスや理由も考察されている。巫女を扱う研究の内容を比較・批判した部分もあり資料選びの一助にもなる。記紀神話の解釈など専門的な内容も多く理解の難しいところもあるが、分量も内容も非常に濃く、巫女を取り巻く歴史の概観が十二分に把握できる良本。
2023/11/14
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