ヴァン・ゴッホ (筑摩叢書 303)
ヴァン・ゴッホ (筑摩叢書 303) / 感想・レビュー
秋津
素晴らしい言葉。またフランス語がやりたくなった。以前演劇を勉強していた人が研究テーマはアントナン・アルトーといったのを聞き流した自分…情けない。読んだきっかけは、古い映画の中で町蔵が朗読していてあまりにも良かったから。
2023/03/27
午後
アルトーを読んでいると、私たちが抱いている世界認識が、途方もない勘違いなのではないかと思えてくる。世界を揺るがすほどの強靭なイメージ、思いがけない語と語の連結の、電撃的な文体の痙攣によって、呪術的な熱っぽい語り口によって、私たちの思考が、脳髄が真っ青に作り変えられる。思考の不可能性を目掛けて、ひっきりなしに熱暴走を起こし、枝葉を広げていくアルトーの言語が永遠に続くような夜に切れ目を入れて、その奥の果てのない闇を覗かせる。
2021/12/28
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