島尾敏雄 (筑摩叢書 344)
島尾敏雄 (筑摩叢書 344) / 感想・レビュー
amanon
本書を読んでいて、島尾が数々の作品で表現してきた自分を取り巻く環境に対する違和感が、実は自分が感じてきたそれに近いのではないか?という気にさせられた。これまで島尾の作品をかなり読んできたと自負するが、そんな気にならなかった。それだけ吉本の読みが鋭いということだろうか?それから、短篇「日を繋げて」で主人公の妻が主人公の愛人に暴行を加えた際、本来なら止めるところを主人公が妻の暴行に荷担してしまう行に対する言及が興味深かった。後、かねてから気になっていた島尾の娘マヤが患った障害についての言及には心を痛めた。
2013/01/14
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