食物漫遊記 (ちくま文庫 た 1-1)
食物漫遊記 (ちくま文庫 た 1-1) / 感想・レビュー
傘緑
「松山俊太郎…大変な学者で、大酒飲みで、空手の達人…何でも『時間』と『蓮』の研究をしている」松山俊太郎の法螺話を書けるのは種村季弘だけ!この隻手のサンスクリット学者の数々の奇行の震源地が種村さん、それは猫と皿の虐殺、犬の遠吠え、軍歌の放唱、空手を応用した「ジカパイ」なる早技、あるいは「蓮」の研究に三百年は掛かる、などなど。そのご両人の親友を超えた深い絆の発露がこの本に…なんと!二人きりでラブホテルにしけこむという「誰得!?」かつ驚愕の展開に!その『絶対の探求』の果てにあるものとは?それは読んでのお楽しみで
2016/10/15
有沢翔治@文芸同人誌配布中
種村季弘さんは幻想文学の研究者として有名。別にだからというわけでもないのでしょうが、エッセイなのに幻想の世界へといざなってくれ、最終的には本の内容が真実かどうかはどうでもよくなってしまう。面白い。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51477863.html
2016/09/18
sawa
★★★★★ 何となく読みづらい文章かと思ったけど、ものすごく面白かった。普通の食べ物エッセイとは全然違って、何だか人を食ったような話。化かされたような気分。著者の博識にも驚かされた。素晴らしく上質な本を読んだ気がする。
2012/07/28
澤水月
1981年刊行なのでナンとチャパティの違いがあまり分からなかったり、アボカドをマグロがわりの珍味として紹介しているのも面白い。著者が花見に行った澁澤龍彦も解説の吉行淳之介も著者自身も物故者か…
2012/05/21
つれづれ
本当に「おもしろい」食についての文章を、久々に読んだ気がする。知性というものはこのように使うのだな、と、思い知らされた。実はとても馬鹿馬鹿しいことを書いているのに、その背後にある知識量や思考が膨大であることによって、感興を削ぐことなく読み進めさせる。世に多くある、「立派そうに見せているけど中身が空っぽなのがすぐわかる文章」とは、えらい違いだ。
2009/06/20
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