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泥の河・蛍川・道頓堀川: 川三部作 (ちくま文庫 み 3-1)

泥の河・蛍川・道頓堀川: 川三部作 (ちくま文庫 み 3-1)

泥の河・蛍川・道頓堀川: 川三部作 (ちくま文庫 み 3-1)

作家
宮本輝
出版社
筑摩書房
発売日
1986-01-01
ISBN
9784480020338
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泥の河・蛍川・道頓堀川: 川三部作 (ちくま文庫 み 3-1) / 感想・レビュー

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やいっち

「泥の河」と「蛍川」は、少なくとも再読。特に「蛍川」は、郷里である富山市のそれなりに土地勘のある場所が舞台なので、親近感を持って読んだ。今回、仕事の合間に読んだが、実に味わい深いと再認識。「道頓堀川」は初読なのだが、派手な展開はないことはないのだが、それが本筋ではない。あくまで泥臭いまでの等身大の目線で描かれている。これらの作品群に描かれているのは、嘗てあった戦後間もない時期の(焼け跡闇市時代よりはあとか)帰らざる、古臭い表現をすればセピア色の世界とでも云うべきか。

2022/06/13

おか

読友さんのお陰で 良い作品を読ませて頂きました。決して綺麗ではなく よごれや匂いを漂わせる三つの川の畔の人々の生活が フィクションではなく 物凄い勢いで現実として心に馴染んで行く。まるで全員が自分であるかの様な気にさえなる。自分とは全く関わりのない世界なのに、、、多分それは宮本さんのとても易しい文体だからであろう。「本当に判っていれば、どんな難しいことでも簡単に表現出来る」と後書きに書いてあるように それが全てだと思う。良い作家さんを又一人知りました。文中の中の詩「船に乗って行く→続

2017/01/25

syota

宮本輝初読み。『泥の河』は、戦争の痛手がまだ残る貧しかった日本を、小さな子供の目線で見つめている。そこにあるのは日常の中に突然訪れる死、どん底に墜ちても生きなければならない切なさ、哀しさ、そして避けようのない別れ。人生の無常が小さな体を吹き抜けていく。一方で『蛍川』は、中学生たちの初々しさと不器用さ、まっすぐさが新鮮で、父や友の死という哀しみだけでなく、未来への希望も感じさせてくれる。ラストの蛍の大乱舞が、間近に迫った蛍たちの死と、産卵による新たな生命の誕生の両方を感じさせるように。

2017/06/23

reo

先日著者氏の、父親・その妻・ふたりの一粒種伸仁三人の二十年にわたる人生を描いた大河小説「流転の海」九部作を読み終えたばかりなので、この短編「泥の河」「蛍川」「道頓堀川」それぞれが、将来「流転の海」の大作をものにするための習作なのがよくわかる。まだ「流転の海」を読んでない方は、是非読むことをお勧めする。こんな面白い小説にはなかなか出会えません。

2022/03/23

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

時代は戦後の復興期。【川】をモチーフにした三篇の小説。欠けている部分を抱えた人々が、足りないカケラを探し求め川のように流れ過ぎていきます。【泥の河】淡い友情と性の芽生え。自分の感情を持て余す少年。【蛍川】子供を捨てても夫と別れたかった女。妻を捨てても父親になりたかった男。そんな両親から生を受けた竜夫。友が死に、父が逝った夏の一日。蛍の大群を前に、一つの季節が終わったことを知る。【道頓堀川】復興期のギラギラした熱が冷め、篭った余熱が漂い蜃気楼のような空気が満ちている。喫茶店「リバー」を真ん中に行き交う人々。

2014/06/14

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