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道化的世界 (ちくま文庫 や 1-1)

道化的世界 (ちくま文庫 や 1-1)

道化的世界 (ちくま文庫 や 1-1)

作家
山口昌男
出版社
筑摩書房
発売日
1986-01-01
ISBN
9784480020352
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道化的世界 (ちくま文庫 や 1-1) / 感想・レビュー

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サイバーパンツ

道化の役割。それは、イタズラを仕掛けることによって、ロゴスから無意識を汲み上げること、滑稽によって行為から意味性を取り払うこと。道化は自発的に日常空間をズラすことで、世界を破壊-離脱し、より高次にある自由な世界、「道化的世界」を形成する。そして、そのような世界が意味するのは、〈道化〉的知のモデルの必要性である。つまり、民俗学あるいは芸術論的な読み物である本書の根底にあるのは、常識的な知を積極的に「異化」し続けることで、〈道化〉的知の世界へと飛び込む、知のトリックスターという生き方のススメ、なのである。

2016/10/20

あかつや

様々な媒体で発表された「道化」に関する論文やエッセイを編集したものなので、1冊の本としての統一感は薄いが、その分バラエティに富んだ内容である。キートン、サティ、ピカソ、ダダなど、各分野の「道化」的人物について論じることで、それぞれ違った角度から「道化」に光が当たり、全体としての深みが増していると思う。しかし山口さん、バスター・キートン好きっすねえ。これを機に自分でもいくつか映画見てみたけど、いやほんとに面白くてびっくりですわ。

2018/04/24

あかふく

「道化的世界」、道化が現れた世界には何が起こるかといえば、あらゆる世界内の存在が生き始めるという事態だ。道化は死んだモノを復活させる。それが文学であれば言語だし、演劇であれば実際の物体、あるいは観客や俳優なのだ。これらは総称して「異化」とも言える。そこではカテゴリーが一度不能にされ、「それがそう」であることが再検討される。そのような意味でこれが「内省」に向かうとき、また「知識」なるものを疑う知識人の像としての道化という発案も可能になる。

2014/07/21

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