芥川龍之介全集〈1〉 (ちくま文庫)
芥川龍之介全集〈1〉 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
優希
面白かったです。初期の名作がおさめられていますが、作家として既に完成されていたように思われます。ただ、言葉数が多いようにも感じました。もう少し読者に委ねた物語になっていてもいいのではないでしょうか。それでも早熟とも言える作品の数々に酔い仕入れてしまいます。
2020/03/12
harass
この作家の全集に目を通すことにする。青空文庫でも読めるのだが。教科書やアンソロジーで数篇しか読んだことのない作家で、こういうのもあるのかと驚いている。発表執筆?順に作品が並んでいるようだ。これこそ短編小説的な終わり方だと感じる。「羅生門」「偸盗」は再読したい。
2018/02/12
ころこ
『羅生門』の最後の文「下人の行方は、誰も知らない。」同じ文字を使っているのに、不思議と書く手によって文の巧拙があるのを実感するのは誰、といえば芥川の文章だ。安部公房がこの最後の文の間合いを似せている。芥川の文章はある感度の質感があるが、それ故にその質感を維持したまま文章の「表面張力」を保たねばならない、と黙示的に考えて文章を書いていたのではないか。『偸盗』の老婆は『羅生門』を引き継いでいる。中編『偸盗』の出来には失望を禁じ得ない。「太郎は、我を忘れて、叫びながら、険しく眉を顰めて、弟を見た。次郎も片手に太
2023/01/10
優希
面白い作品が多く、読んでて飽きません。大正時代に書かれた作品ながらも古さを感じず、するする読めます。近世以前でありながら現代的なんですよね。
2023/03/21
r.ramone
『虱』閉じられた空間では「虱」を巡って対立が起き、刃傷沙汰すら引き起こされる。ただただ忌む人飼う人食べる人。船の中はそんな有様だけど、船自体は淡々と目的地たる長州へと近づいている。ほかに『老年』『忠義』『猿』かな、印象に残ったのは。 それにしても、緻密。色々な時代が描かれているけど、どれも服装から町並み、芸能等の時代背景から、登場人物の心の動きに表れる一挙一動まで。
2020/07/25
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